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セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)

執筆者:Laura Shane-McWhorter, PharmD, University of Utah College of Pharmacy
レビュー/改訂 2024年 3月
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本ページのリソース

セントジョーンズワートの花に含まれる赤い物質には、ヒペリシンやヒペリフォリンなどの生物学的に有効な多数の化合物が含まれています。

サプリメントの概要も参照のこと。)

セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)の効能

セントジョーンズワートは多くの場合、軽度から中等度の抑うつの症状緩和を目的として摂取されます。  

セントジョーンズワートはまた、乾癬を含む皮膚の病気や小児の注意欠如多動症(ADHD)の治療に用いられてきました。

セントジョーンズワートがエイズの原因ウイルスであるHIVを阻害するという主張があります。しかし、セントジョーンズワートはHIV感染症に対してもっと効果的な多くの薬剤の作用を妨げます。

セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)に関する証拠

セントジョーンズワートについては、複数のプラセボ対照試験が実施されています。全体としてこれらの研究から、セントジョーンズワートが軽度から中等度の抑うつがみられる人に有益であり、いくつかの従来の抗うつ薬と同じくらい効果的でありさえするという可能性が示されています。しかしほとんどの研究は、セントジョーンズワートはうつ病に効果があることを示していません。

ADHDや皮膚疾患の治療におけるセントジョーンズワートの有効性は十分に研究されておらず、証明されていないとみなされています。

セントジョーンズワートはホットフラッシュなどの更年期症状を緩和する助けになることがあります。

セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)の副作用

セントジョーンズワートは日光過敏性を高めることがあります。その他の副作用には口腔乾燥、便秘、疲労、錯乱、双極症を有する人での躁状態などがあります。  

妊娠中は、セントジョーンズワートが子宮の筋緊張が強くすることで流産のリスクが高まります。

セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)との薬物相互作用

セントジョーンズワートに関する大きな問題の1つは、いくつかの薬剤と有害な相互作用を起こすことです(表「セントジョーンズワートと薬との主な相互作用」を参照)。こうした相互作用の結果、毒性反応が生じたり、薬剤の効果がなくなったりすることがあります。

セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)に関する推奨事項

セントジョーンズワートは、不安および軽度から中等度の抑うつの症状を緩和するのに役立つことがあります。米国内科学会(American College of Physicians)は、セントジョーンズワートが軽度から中等度の抑うつ症状に役立ち、従来の抗うつ薬より生じる副作用が少ない可能性があるとしています。

しかしながら、セントジョーンズワートは服用している多くの薬剤と有害な相互作用を起こすため、摂取する前に主治医に確認すべきです。多くの薬物相互作用があるため、一部の国では使用が禁止されています。

妊婦やHIV感染症のための薬剤を服用中の人は、セントジョーンズワートを摂取してはいけません。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

  1. 米国国立衛生研究所の国立補完統合衛生センター:セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)(St. John’s Wort

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