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カモミール(カミツレ)

執筆者:Laura Shane-McWhorter, PharmD, University of Utah College of Pharmacy
レビュー/改訂 2024年 3月
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カモミールはデイジーに似た植物の仲間です。カモミールの有効成分には、エッセンシャルオイルのビサボロールと、フラボノイドと呼ばれる植物栄養素などがあります。

  • カモミールの花は、乾燥させてお茶やカプセルとして、または抽出液を外用に使用します。

  • カモミールの多くの種のうち、サプリメントに一般的に使用されているのは、Matricaria chamomillaChamaemelum nobileの2種のみです。

  • カモミールはほとんどの場合、不安を和らげるためにお茶として摂取されます。

サプリメントの概要も参照のこと。)

カモミールの効能

カモミールは不安抑うつを治療したり、睡眠の質を改善したりするために軽い鎮静薬や抗うつ薬として摂取される場合がほとんどです。カモミールは以下のためにも摂取されます。

  • 炎症を軽減する

  • 熱を下げる

  • 下痢、胃食道逆流症(GERD)の症状、消化不良などの消化管症状を緩和する

カモミールの抽出液の湿布は、皮膚の炎症(湿疹、ツタウルシ、おむつ皮膚炎、水痘などによるもの)の緩和、耳や眼の感染症の治療、胃痛、背部痛、筋肉痛の緩和のために使用します。

カモミールはコリッククループ小児の発熱の治療に使用されています。

支持者たちはまた、カモミールはがんや心疾患の予防にも役立つと主張しています。

カモミールに関する証拠

カモミールの使用を裏付ける科学的根拠は弱いものです。しかしながら、睡眠の質の改善と、不安や抑うつの軽減を助ける上でカモミールにわずかな効果がある可能性を示す科学的根拠もあります。

カモミールの副作用

一般に、カモミールは安全と考えられています。最も生じやすい副作用はアレルギー反応で、特にブタクサやヒマワリにアレルギーのある人の場合です。起こりうるアレルギー反応は、皮膚刺激、眼のそう痒感、くしゃみ、鼻水などです。生命を脅かすおそれのある重度のアレルギー反応(アナフィラキシー)が起きることはめったにありません。

カモミールとの薬物相互作用

カモミールは血栓予防薬(抗凝固薬)や鎮静薬(アルコールも含む)の効果を増強することがあります。カモミールはタモキシフェン、ホルモン補充療法、エストロゲンを含有する経口避妊薬の作用を阻害することがあります。

カモミールに関する推奨事項

カモミールは不安や抑うつの症状を緩和し、睡眠の質を改善するのに役立つことがありますが、その効果は小さいでしょう。カモミールはかなり安全なようです。

抗凝固薬(ワルファリンなど)、鎮静薬(アルコールを含む)、鉄サプリメント、タモキシフェン、ホルモン補充療法、エストロゲンを含有する経口避妊薬を服用している人は、カモミールを使用する前に主治医に相談すべきです。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

  1. 米国国立衛生研究所の国立補完統合衛生センター:カモミール(Chamomile

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