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コンドロイチン硫酸

執筆者:Laura Shane-McWhorter, PharmD, University of Utah College of Pharmacy
レビュー/改訂 2024年 3月
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コンドロイチン硫酸は軟骨に含まれる天然成分の1つです。サメやウシの軟骨から抽出するか、合成製造します。よくグルコサミンと併用されます。

サプリメントの概要も参照のこと。)

コンドロイチン硫酸の効能

コンドロイチン硫酸は変形性関節症に対して内服します(しばしばグルコサミンと併用されます)。

コンドロイチン硫酸に関する証拠

コンドロイチン硫酸のみを摂取した場合には効果がないことが科学的に示されています。しかしながら、科学的な証拠からはグルコサミンとの併用で以下の可能性が示唆されています。

  • 関節痛を軽減する

  • 関節の可動性を改善する

  • 従来の抗炎症薬の用量の減量を可能にする(例えば、コンドロイチン硫酸をグルコサミンとともに6~24カ月間服用する場合)

変形性関節症の治療におけるコンドロイチン硫酸の単独使用またはグルコサミンとの併用に関する研究については、主に小規模な試験で行われていました。しかし、2006年のグルコサミン・コンドロイチン関節炎介入試験(Glucosamine/Chondroitin Arthritis Intervention Trial[GAIT])は、変形性膝関節症の治療を目的としたグルコサミン、コンドロイチン硫酸、そして2つの併用に関する大規模なプラセボ対照試験でした。痛みは、単剤または併用のいずれによっても有意に軽減されませんでした。この試験では、中等度から重度の膝関節痛の患者では併用により多少の緩和が認められたことが示唆されましたが、これらの結果は確認が必要です。

コンドロイチン硫酸の副作用

コンドロイチン硫酸には重篤な副作用はないようです。最もよくみられる副作用は胃痛、吐き気、その他の消化管症状です。しかし、コンドロイチン硫酸が医薬品グレードでなければ、細菌、ウイルス、プリオンによる感染症を引き起こす可能性があります。

コンドロイチン硫酸との薬物相互作用

コンドロイチン硫酸をワルファリンや場合によりその他の血栓予防薬(抗凝固薬)と一緒に服用すると、出血のリスクが上昇する可能性があるため、抗凝固薬を服用している人はコンドロイチン硫酸を避けるべきです。

コンドロイチン硫酸に関する推奨事項

コンドロイチン硫酸をグルコサミンと併用して服用すると、膝の変形性関節症の症状の緩和に役立つ可能性がありますが、その効果はあったとしても小さいでしょう。変形性関節症の治療ガイドラインでは、コンドロイチンやグルコサミンの使用は現在推奨されていません。

コンドロイチン硫酸はかなり安全なようですがが、抗凝固薬(ワルファリンなど)を服用している人は摂取してはいけません。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

  1. 米国国立衛生研究所の国立補完統合衛生センター:変形性関節症に対するグルコサミンとコンドロイチン:知っておくべきこと(Glucosamine and Chondroitin for Osteoarthritis: What You Need To Know

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