肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌ワクチンはすべて、筋肉内に注射します。推奨や接種するワクチンは、その人の年齢やその他の要因によって異なります。（CDC：肺炎球菌ワクチンの接種：ワクチン接種の対象者と対象時期の要約［CDC: Pneumococcal Vaccination: Summary of Who and When to Vaccinate］も参照のこと。）

18歳までの小児は、小児向けに推奨される定期予防接種の一環として、通常は生後2カ月、4カ月、6カ月、12～15カ月時の4回にわたり、肺炎球菌ワクチンの接種を受けるべきです（CDC：年齢別の小児および青年向け予防接種スケジュール［CDC: Child and Adolescent Immunization Schedule by Age］を参照）。

65歳以上の人は、結合型ワクチンを接種したことがないか、ワクチン接種歴が不明である場合、以下のいずれかを受けるべきです。

• PCV20の1回接種

• PCV15の1回接種とその後にPPSV23の1回接種

19～64歳の人は、特定の病態または危険因子（以下を参照）があり、かつ結合型ワクチンの接種を受けたことがないか、ワクチン接種歴が不明の場合、以下のいずれかを受けるべきです。

• PCV20の1回接種

• PCV15の1回接種とその後にPPSV23の1回接種

以下のいずれかに該当する19～64歳の人は、肺炎球菌ワクチンの接種を受けるべきです。

• 慢性腎臓病またはネフローゼ症候群がある

• 髄液の漏出がある

• 免疫機能が低下している（HIV感染症、白血病、リンパ腫、進行がんなどの病気がある人、免疫機能を抑制する薬剤［免疫抑制薬］を使用している人、特定の臓器移植をした人など）

• 脾臓（ひぞう）が正常に機能していない（鎌状赤血球症の人など）

• 人工内耳を使用している

• 心臓、肺（喘息や肺気腫など）、腎臓、または肝臓に慢性疾患がある

• 糖尿病がある

• アルコール使用症がある

• 喫煙している

どちらの年齢層の成人も、PPSV23の接種はPCV15の接種から1年以上空けて受けるべきです。しかし、易感染状態であるか、人工内耳を使用しているか、髄液の漏出がみられる成人では、ときにPCV15とPPSV23の間隔を最短で8週間とすることが検討されます。また、肺炎球菌ワクチンの接種を1回受けたことがある人については、CDC：19歳以上向け推奨事項（CDC: Recommendations for Ages 19 Years or Older）の肺炎球菌ワクチンの追加接種に関する詳細な推奨事項を参照してください。

対象者が一時的に病気にかかっている場合、ワクチンの接種はその病気が治まるまで待つのが通常です（CDC：ワクチン接種を受けるべきでない人［CDC: Who Should NOT Get Vaccinated With These Vaccines?］も参照）。

注射部位に痛みが生じ、赤くなることがあります。その他の副作用としては、発熱、易刺激性、眠気、食欲減退、嘔吐などがあります。

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

1. 米国疾病予防管理センター（CDC）：肺炎球菌結合型（暫定）ワクチン説明書（Pneumococcal Conjugate (Interim) vaccine information statement）

2. CDC：肺炎球菌多糖体（PPSV23）ワクチン説明書（Pneumococcal polysaccharide (PPSV23) vaccine information statement）

3. CDC：これらのワクチンを使用すべきでない人（Who Should NOT Get Vaccinated with these Vaccines?）

4. 欧州疾病予防管理センター（ECDC）：肺炎球菌感染症：推奨されるワクチン接種（Pneumococcal Disease: Recommended vaccinations）