インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型(Hib)ワクチンは、肺炎や髄膜炎など、Hibによる細菌感染症の予防に役立ちます。この種の感染症は小児では重篤化することがあります。ワクチンが使用されるようなったことで、小児での重篤なHib感染症の発生率は99%低下しました。このような感染症は、免疫系が正常で脾臓(ひぞう)が機能している成人で発生することはまれです。
数種類のワクチン製剤が利用できます。
詳細については、米国疾病予防管理センター(CDC)によるインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン説明書(Haemophilus Influenzae type b (Hib) vaccine information statement)を参照してください。
(予防接種の概要も参照のこと。)
インフルエンザ菌b型ワクチンの接種
このHibワクチンは、筋肉内への注射で接種されます。小児を対象とする定期予防接種の一環として、米国では生後2カ月と4カ月または生後2カ月と4カ月と6カ月の時点で(どの製剤を使うかによって異なります)接種を行います。どちらの場合も、生後12~15カ月で最後の接種を行います(合計の接種回数は3回または4回になります)。(CDC:年齢別の小児および青年向け予防接種スケジュール[CDC: Child and Adolescent Immunization Schedule by Age]を参照のこと。)
小児は全員ワクチン接種を受ける必要があります。
Hibワクチンは、ワクチン接種を受けていない年長の小児、青年、成人や、この感染症のリスクが高い以下の成人にも推奨されています。
対象者が一時的に病気にかかっている場合、ワクチンの接種はその病気が治まるまで待つのが通常です(CDC:ワクチン接種を受けるべきでない人[Who Should NOT Get Vaccinated With These Vaccines?]も参照)。
インフルエンザ菌b型ワクチンの副作用
注射部位が赤くなり、痛みや腫れが生じることがあります。ワクチン接種の後には、発熱がみられたり、小児が泣いたり、いらだったりすることがあります。
さらなる情報
以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。
米国疾病予防管理センター(CDC):Hibワクチン説明書(Hib vaccine information statement)
CDC:これらのワクチンを使用すべきでない人(Who Should NOT Get Vaccinated with these Vaccines?)
欧州疾病予防管理センター(ECDC):インフルエンザ菌b型感染症:推奨されるワクチン接種(Haemophilus Influenzae Type B Infection: Recommended vaccinations)