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ヌーナン症候群は、いくつかの身体的異常を引き起こす遺伝子異常で、通常は低身長、心臓の異常、外見の異常などがみられます。
遺伝子とは、大きなDNA(デオキシリボ核酸)分子のうち、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録されている部分のことです。遺伝子には、体がどのような外観や機能をするかを定めた詳細な指示が記録されています。(遺伝学に関する考察については、遺伝子と染色体を参照のこと。)
ヌーナン症候群は、親から遺伝する可能性がある特定の遺伝子の変異によって引き起こされます。また、変異した遺伝子をもたない親の子どもに自然発生する可能性もあります。いくつかの遺伝子のうちの1つが関係しています。
ヌーナン症候群は、約1000人~2500人に1人の頻度で発生する、比較的よくみられる病気です。男児と女児の両方で発生します。
ヌーナン症候群の症状
ヌーナン症候群の診断
遺伝子検査
ヌーナン症候群の診断を確定するには、遺伝子検査を行います。
ヌーナン症候群の治療
心臓の異常の外科的修復
成長ホルモン療法
乳児期に、ときにテストステロン補充療法
ヌーナン症候群には根治的な治療法がありません。しかし、この症候群によって生じる具体的な症状や異常の一部は、治療することができます。心臓の異常については、必要に応じてモニタリングするとともに修復します。
成長ホルモンによる治療で成長を促すことができます。精巣の発育不全がみられる男児には、十分な成長が得られた後であれば、テストステロンというホルモンを補充する治療が助けになります。
ヌーナン症候群が疑われる小児には、心臓、視覚、聴覚の異常に対する評価を受けさせるべきです。
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