A型肝炎ワクチン

執筆者:Margot L. Savoy, MD, MPH, Lewis Katz School of Medicine at Temple University
レビュー/改訂 2023年 1月
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A型肝炎ワクチンはA型肝炎の予防に役立ちます。一般的に、A型肝炎はB型肝炎ほど重篤ではありません。A型肝炎は無症状の場合もよくありますが、発熱、吐き気、嘔吐、黄疸がみられることや、まれに重度の肝不全や死亡に至ることもあります。慢性肝炎にはなりません。

ワクチンの使用によって、感染者数が減少しました。

詳細については、CDCによるA型肝炎ワクチン説明書(Hepatitis A vaccine information statement)を参照してください。

予防接種の概要も参照のこと。)

A型肝炎ワクチンの接種

A型肝炎ワクチンは、筋肉内への注射で接種されます。小児定期接種の一環として、米国ではすべての小児に2回の接種が行われ、通常は生後12~23カ月後に1回目が、その6~18カ月後に2回目が接種されます。ワクチン接種を受けていない成人も、この2回接種のワクチンを接種できます。初回接種を受ければ、その後6~12カ月にわたってA型肝炎を完全に予防でき、2回目を受ければ、少なくとも14~20年間に及ぶ予防効果が得られます。

A型肝炎およびB型肝炎の混合ワクチンも利用できます。このワクチンは18歳以上の人を対象として、3回または4回に分けて接種されます。

A型肝炎ワクチンは、このワクチンの接種を受けたことのない年長の小児や青年に推奨されます。A型肝炎の予防を望んでいるが接種していない成人も接種できます。

A型肝炎にかかるリスクの高い以下のような人にも接種が推奨されています。

  • この感染症の流行地域を旅行または仕事で訪れる人

  • 仕事でウイルスにさらされるリスクがある人(A型肝炎ウイルスに感染した霊長類を扱う人や、研究所でこのウイルスを扱う人など)

  • 違法薬物(注射かどうかを問わない)を使用している人

  • 男性と性行為を行う男性

  • 慢性肝疾患(B型肝炎、C型肝炎、肝硬変、脂肪性肝疾患、アルコール関連肝疾患、自己免疫性肝炎など)のある人または特定の肝酵素の血中濃度が高い人

  • 最近A型肝炎ウイルスにさらされた40歳以下の健康な成人

  • ホームレスの人

  • A型肝炎の流行地域から米国に養子に来た小児と入国後60日以内に濃厚に接触することが予想される人

  • 妊娠中にA型肝炎に感染するリスクがある妊婦(外国旅行をしている妊婦、違法薬物を使用している妊婦[注射かどうかを問わない]、職場で曝露される可能性がある妊婦、外国から来た養子と濃厚接触が予想される妊婦、ホームレスの妊婦など)、またはA型肝炎ウイルス感染症で非常に重篤になったり死亡したりするリスクがある妊婦(慢性肝疾患またはHIV感染症の妊婦など)

A型肝炎の流行中は、A型肝炎ウイルス感染のリスクがある1歳以上の人はワクチンを接種するべきです。

対象者が一時的に病気にかかっている場合、ワクチンの接種はその病気が治まるまで待つのが通常です(CDC:ワクチン接種を受けるべきでない人[CDC: Who Should NOT Get Vaccinated With These Vaccines?]も参照)。

A型肝炎ワクチンの副反応

よくみられる副反応としては、注射部位の痛み、発赤、腫脹などがあります。人によっては発熱や頭痛もみられます。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

  1. 米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention (CDC)):A型肝炎ワクチン説明書(Information statement about the hepatitis A vaccine)

  2. CDC:A型肝炎ワクチンを接種すべきでない人に関する情報(Information about people who should NOT get vaccinated with hepatitis A vaccine)

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