本章の目次
- 遺伝性代謝疾患に関する序論
- 遺伝性代謝疾患が疑われる患者へのアプローチ
- ミトコンドリア酸化的リン酸化障害
- ペルオキシソーム病
- アミノ酸・有機酸代謝異常症の概要
- 分枝鎖アミノ酸代謝異常症
- メチオニン代謝異常症
- フェニルケトン尿症(PKU)
- チロシン代謝異常症
- 尿素サイクル異常症
- 糖代謝異常症の概要
- フルクトース代謝異常症
- ガラクトース血症
- 糖原病
- ピルビン酸代謝異常症
- その他の糖代謝異常症
- 脂肪酸・グリセロール代謝異常症の概要
- β酸化経路の異常
- グリセロール代謝異常症
- ライソゾーム病の概要
- コレステロールエステル蓄積症およびウォルマン病
- ファブリー病
- ゴーシェ病
- クラッベ病
- 異染性白質ジストロフィー
- ニーマン-ピック病
- テイ-サックス病およびサンドホフ病
- プリン・ピリミジン代謝異常症の概要
- プリンの異化障害
- プリン塩基の合成障害
- プリンサルベージ経路の異常
- ピリミジン代謝異常症
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クラッベ病は,知的障害,麻痺,失明,難聴,および偽性球麻痺を引き起こすスフィンゴリピドーシス(遺伝性代謝疾患の1つ)で,進行すると死に至る。
詳細については,主なスフィンゴリピドーシスの表を参照のこと。
遺伝性代謝疾患が疑われる患者へのアプローチも参照のこと。
クラッベ病は,常染色体潜性(劣性)で遺伝するガラクトセレブロシドβ-ガラクトシダーゼの欠損によって引き起こされる。乳児型,乳幼児型,若年型,成人型の4つの型がある。
乳児期に発症し,知的障害,麻痺,失明,難聴,および偽性球麻痺を特徴とし,進行して死に至る。
クラッベ病の診断は,DNA解析および/または白血球もしくは培養皮膚線維芽細胞における酵素欠損の検出による。(遺伝性代謝疾患が疑われる場合の検査も参照のこと。)
乳児型または乳幼児型の小児では,骨髄または幹細胞移植によって生存期間が延長し機能的能力が改善するため,出生前検査または新生児スクリーニング(米国では現時点で10州で検査可能)がときに実施されている。
クラッベ病の治療は支持療法による。
より詳細な情報
有用となりうる英語の資料を以下に示す。ただし,本マニュアルはこの資料の内容について責任を負わないことに留意されたい。
Online Mendelian Inheritance in Man® (OMIM®) database: Complete gene, molecular, and chromosomal location information
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