コレステロールエステル蓄積症およびウォルマン病

(ウォルマン病)

執筆者:Matt Demczko, MD, Mitochondrial Medicine, Children's Hospital of Philadelphia
レビュー/改訂 2021年 10月
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コレステロールエステル蓄積症とウォルマン病は,ライソゾームの酸性リパーゼの欠損に起因するスフィンゴリピドーシス(遺伝性代謝疾患の1つ)であり,高脂血症および肝腫大を引き起こす。

詳細については,主なスフィンゴリピドーシスおよびその他のリピドーシスの表を参照のこと。

遺伝性代謝疾患が疑われる患者へのアプローチも参照のこと。

これらの疾患は,まれな常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)疾患であり,主に組織球のライソゾームにコレステロールエステルおよびトリグリセリドが蓄積され,肝臓,脾臓,リンパ節,およびその他の組織に泡沫細胞が形成される。血清中低比重リポタンパク質(LDL)は通常上昇している。

ウォルマン病はより重症の病型であり,生後数週間で発症し,哺乳不良および嘔吐と肝脾腫に続発する腹部膨隆がみられ,無治療ならば通常は生後6カ月までに死に至る。

コレステロールエステル蓄積症は,より軽症型で,発症は遅く,成人期まで症状が現れないこともあるが,発症すると肝腫大が検出され,早発性動脈硬化症(しばしば重度)を来すこともある。

診断は,臨床的特徴に加えて,DNA解析および/または肝生検検体もしくは培養皮膚線維芽細胞,リンパ球,あるいはその他の組織における酸性リパーゼ欠損の検出に基づく。出生前診断は,培養絨毛膜絨毛における酸性リパーゼの活性消失に基づく。(遺伝性代謝疾患が疑われる場合の検査も参照のこと。)

2015年までは治療法がなく,生後1年以上生存できた患児はごく少数であった。現在,ライソゾームの酸性リパーゼの欠損は,欠損している酵素の組換え型であるセベリパーゼ アルファで治療できるようになった。

より詳細な情報

有用となりうる英語の資料を以下に示す。ただし,本マニュアルはこの資料の内容について責任を負わないことに留意されたい。

  1. Online Mendelian Inheritance in Man® (OMIM®) database: Complete gene, molecular, and chromosomal location information

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