心疾患患者に関する序論

執筆者:Jessica I. Gupta, MD, University of Michigan Health;
Michael J. Shea, MD, Michigan Medicine at the University of Michigan
レビュー/改訂 2023年 3月
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心血管疾患は症状や身体所見から示唆されることがある。確定診断のためには,通常,心臓についての非侵襲的および侵襲的検査が選択され施行される。

病歴

徹底的な病歴聴取が基本であり,これを検査で代用することはできない。他の器官系に生じているように見える症状(例,呼吸困難,消化不良)の多くは,しばしば心疾患によって引き起こされるので,病歴聴取の際には徹底的な系統的症状把握(systems review)を行う必要がある。多くの心疾患(例,冠動脈疾患,全身性高血圧大動脈二尖弁肥大型心筋症僧帽弁逸脱症)には遺伝的基盤があるため,家族歴を聴取する。

重篤な心症状としては,胸痛または胸部不快感,呼吸困難筋力低下疲労動悸,ふらつき,卒倒感,失神浮腫などがある。これらは複数の心疾患で共通してみられる症状であり,また心疾患以外でもよくみられる。

身体診察

一般的な心血管系の診察心臓の聴診については,本マニュアルの別の箇所で考察されている。心臓画像検査の利用が増え続けているが,いつでも行えて,正式な画像検査の費用をかけずに必要なだけ繰り返すことが可能なベッドサイドでの診察が有用であることに変わりはない。血圧計や聴診器などの医師がベッドサイドで操作する機器は,古くから身体診察の一部として使用されてきた。現在では,臨床医がベッドサイドで施行するポイントオブケア超音波検査が,身体診察の延長になりつつある。

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