分類不能型免疫不全症は、免疫不全疾患の1つで、B細胞(抗体をつくる白血球の一種)の数は正常であるにもかかわらず、抗体(免疫グロブリン)の量が極めて少ないのが特徴です。
分類不能型免疫不全症の患者では、慢性のせき、喀血(かっけつ)、呼吸困難(頻繁な副鼻腔または肺の感染症のため)、下痢がみられることがあります。
診断を下すために、免疫グロブリンの量を測定するとともに、体がワクチンに反応して免疫グロブリンを生産する能力を調べます。
不足した免疫グロブリンを補うために免疫グロブリン製剤を生涯にわたって投与し、頻繁に発生する感染症を治療するために抗菌薬を投与します。
(免疫不全疾患の概要も参照のこと。)
分類不能型免疫不全症は原発性免疫不全症の一種です。通常は20~40歳で診断されますが、もっと若い時期や高齢で発症することもあります。通常、B細胞(リンパ球の一種)の数は正常ですが、成熟していないため、免疫グロブリン(抗体)を生産することができません。患者によっては、T細胞の機能不全もみられることがあります。
最大25%の患者が自己免疫疾患を発症します。自己免疫疾患では、免疫系が自分の組織を攻撃してしまいます。例えば、自己免疫性血液疾患(免疫性血小板減少症、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血など)、アジソン病、甲状腺炎、関節リウマチがあります。
分類不能型免疫不全症を引き起こす遺伝子変異が遺伝することがありますが、ほとんどの場合は自然に発生します。
分類不能型免疫不全症の症状
分類不能型免疫不全症の診断
血液検査
典型的な症状があれば、分類不能型免疫不全症が疑われます。
免疫グロブリンの量を測定するとともに、体がワクチンに反応して免疫グロブリンを生産する能力を調べるために血液検査を行います。
分類不能型免疫不全症の診断が下された場合、医師はこの病気の患者によく発生する病気(自己免疫疾患、がん、肺の病気など)の有無を確認する検査を年1回行います。検査としては、血液検査、スパイロメトリー(空気を吸入する量と吐き出す量、および1回の呼吸にかかる時間を測定する肺の検査)、画像検査(例えばCT検査)などがあります。
分類不能型免疫不全症の治療
免疫グロブリン製剤
感染を治療するための抗菌薬
不足している免疫グロブリンを補うために、生涯にわたって免疫グロブリン製剤(免疫系が正常な人の血液から採取した抗体)が投与されます。静脈内に月1回、もしくは皮膚の下に週1回または1カ月に1回注射します。
感染に対する治療として速やかに抗菌薬が投与されます。ときに感染症を予防するための抗菌薬を定期的に服用します。
自己免疫疾患は、必要に応じて免疫系の機能を抑制するか調節する薬剤(リツキシマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、コルチコステロイドなど)により治療します。
さらなる情報
以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。
免疫不全財団:分類不能型免疫不全症(CVID)コミュニティーセンター(Immune Deficiency Foundation: CVID Community Center):分類不能型免疫不全症の診断、治療、患者へのアドバイスなどの情報を含む一般的な情報