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小腸の腫瘍の大半は良性(がんではない腫瘍)です。具体的には脂肪細胞、神経細胞、結合組織細胞、筋肉細胞の腫瘍(順に、脂肪腫、神経線維腫、線維腫、平滑筋腫)があります。
小腸良性腫瘍の症状
小腸良性腫瘍の診断
ゾンデ法による小腸造影検査
内視鏡検査
ビデオカプセル内視鏡検査
一般的に、ゾンデ法による小腸造影検査が行われます。この検査では、鼻から挿入したチューブを通して大量のバリウム液を流し込み、それが消化管を通る様子をX線撮影します。ときには単純X線撮影の代わりにCTを用いてこの検査を行う場合もあり、その場合は鼻からチューブを挿入せず、バリウムを飲むだけで済みます。
内視鏡検査では、内視鏡(観察用の柔軟な管状の機器)を口から挿入して十二指腸と空腸の一部(小腸の上部と中央部)まで移動させて腫瘍の位置を確認し、生検(組織サンプルを採取して顕微鏡で調べる検査)を行います。大腸内視鏡(下部消化管の観察と治療に使用される内視鏡)を肛門から挿入して、大腸を通って回腸まで移動させることで、回腸(小腸の下部)の腫瘍を発見できることもあります。
1つまたは2つの小さなカメラを搭載したワイヤレスかつバッテリー駆動のカプセル(ビデオカプセル内視鏡)を飲み込んで小腸の腫瘍を撮影することもできます。
ときには、小腸内の腫瘍を特定するために試験開腹が必要になることもあります。
小腸良性腫瘍の治療
様々な方法による腫瘍の除去
小さな良性腫瘍は、内視鏡検査と同時に行う治療で破壊できることがあります。そのような治療法としては、腫瘍に対して直接、電流(電気焼灼術[しょうしゃくじゅつ])を流したり、熱を加えたり、高エネルギーの光線(レーザー光線療法)を照射したりする方法があります。
大きくな腫瘍に対しては、手術が必要になることがあります。
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