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ビポーマは、血管作動性腸管ペプチドというホルモンを分泌する膵臓のまれな神経内分泌腫瘍で、このホルモンによって重度の水様性下痢が引き起こされます。
この種の腫瘍は、血管作動性腸管ペプチドを作っている膵臓の細胞から発生します。
主な症状は水様性の下痢です。
診断では血液検査や画像検査などを行います。
治療法は水分および電解質の補充と手術です。
ビポーマは膵神経内分泌腫瘍の一種です。
この腫瘍は半数以上が悪性(がん)です。約6%の患者では、多発性内分泌腫瘍症という病気の一部としてビポーマが発生します。
ビポーマの症状
ビポーマの診断
ビポーマの治療
水分と電解質の補充
オクトレオチドまたはランレオチド
手術による摘出
まず、水分と電解質(血液中のカリウムやナトリウムなどのミネラル)を静脈内投与して補充しなければなりません。重炭酸塩を投与して、便中に失われた分を補充し、アシドーシスを予防する必要があります。水分補給を行うと水分と電解質が便中に失われ続けるため、水分と電解質を補充し続けるのが困難なことがあります。
オクトレオチドまたはランレオチドという薬剤で通常は下痢をコントロールできますが、高用量が必要になることもあります。
腫瘍が広がっていない患者では、ビポーマを手術で切除することで、約50%が治癒します。腫瘍が広がっている人でも、手術により一時的な症状の緩和が得られる可能性があります。
化学療法により下痢が軽減し、腫瘍が小さくなることがありますが、この病気が治癒するわけではありません。
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