内視鏡検査

執筆者:Jonathan Gotfried, MD, Lewis Katz School of Medicine at Temple University
レビュー/改訂 2021年 4月
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やさしくわかる病気事典

    内視鏡検査とは、柔軟な管状の機器(内視鏡)を用いて体内の構造物を観察する検査です。チューブを介して器具を通すことができるため、内視鏡は多くの病気の治療にも使うことができます。

    口から挿入する内視鏡検査では、食道(食道鏡検査)、胃(胃鏡検査)、小腸の一部(上部消化管内視鏡検査)が観察できます。

    肛門から挿入する内視鏡検査では、直腸(肛門鏡検査)、大腸下部と直腸と肛門(S状結腸内視鏡検査)、大腸全体と直腸と肛門(大腸内視鏡検査)が観察できます。肛門鏡検査とS状結腸内視鏡検査以外の内視鏡検査では、一般的に、落ち着かせて不快感を防ぐために(鎮静)薬が静脈内投与されます。

    内視鏡ないしきょうによる消化管しょうかかん観察かんさつ

    内視鏡ないしきょうという、からだなかるためのやわらかいくだ使つかって、消化管しょうかかんのさまざまな部分ぶぶんます。くちかられる内視鏡検査ないしきょうけんさひだり)では、食道しょくどう小腸しょうちょう一部いちぶることができます。肛門こうもんかられる内視鏡検査ないしきょうけんさみぎ)では、直腸ちょくちょう結腸けっちょう全体ぜんたいることができます。

    内視鏡の直径は6~13ミリメートル程度、長さは0.3~1.8メートル程度です。検査する消化管の部位に応じて内視鏡を選択します。内視鏡は自由に曲がり、光源と小さなカメラを備えているため、消化管の内面をよくみることができます。医師は刺激、潰瘍、炎症、異常な組織の増殖が生じている場所を観察できます。先端に超音波プローブを備えている内視鏡もあります。そのプローブからの画像では、超音波プローブを皮膚の上からあてた場合には観察できないような詳細な部分が確認できます。

    内視鏡を用いることで、結腸がんなどの特定の病気についてのスクリーニング検査を行うことができます。例えば、結腸がんの発生リスクが高い人や45~50歳以上の人は、ポリープやその他の変化を検出するために大腸内視鏡検査を受けるべきです。大腸内視鏡検査は、結腸がんの危険因子がない人は10年毎に、結腸のポリープが確認されている人や結腸がんの家族歴がある人は、それより多い頻度で、または低い年齢で受けるべきです。

    内視鏡を通して小さな器具を挿入し、それを使用して組織サンプルを採取することができます(内視鏡下生検)。採取したサンプルを評価して、炎症、感染症、がんの有無が確認できます。肛門下部を除いて、消化管の内面や内層には痛みを感じる神経がないため、この処置で痛みを伴うことはありません。

    内視鏡は治療にも用いることができます。内視鏡の小さな穴からは、様々な器具を通すことができます。内視鏡の先端に電気プローブを通せば、それを用いて異常な組織を破壊したり、小さな増殖物を取り除いたり、血管をふさいだりできます。内視鏡の先端に針を通せば、それを用いて、拡張した食道静脈に薬を注入して止血することができます。

    内視鏡検査を受けるときは、検査の8時間前から絶食し、2~4時間前から飲みものも避ける必要があります。胃の中に食べものがあると、観察の妨げとなり、検査中に嘔吐してしまうこともあります。直腸や結腸に内視鏡を挿入する前には、腸内の便を完全に排除するために、通常は下剤を服用し、ときに浣腸が行われることもあります。一部の検査では、場合によっては検査の前日の食事を液体(ゼラチンや澄んだスープなど)のみにする必要があります。

    内視鏡検査による合併症は比較的まれで、ほとんどが鎮静のために用いた薬に関連しています。内視鏡が消化管を傷つけたり、さらには穴をあけたりする可能性もありますが、粘膜を刺激したり、典型的には自然に収まる若干の出血を起こしたりする方が一般的です。

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