心身医学の手法の1つである瞑想では、集中力をコントロールしたり、各自の内的または外的経験の特定の側面に系統的に意識を集中させます。瞑想するときは、静かに座るか楽な姿勢をとり、多くの場合、目を閉じるか視線を落とします。場合によっては、集中力を高めるためにマントラと呼ばれる真言を繰り返し唱えることもあります。超越瞑想とマインドフルネス瞑想は科学的に研究されています。(統合、補完、代替医療の概要も参照のこと。)
瞑想療法の多くは、超自然的な背景をもち、スピリチュアルな成長、自己改革、超越体験を究極の目標としています。しかし医療的介入としての瞑想は、個人の文化的、スピリチュアルまたは宗教的背景とは関係なしに効果があります。
医療上の利用
瞑想により、以下のような症状が軽減するなど、多大な健康効果がもたらされることが分かっています。
ストレス、不安、抑うつ
不眠
痛み
がんなどの慢性疾患の症状
場合により、耳鳴り
性機能障害
瞑想は脳の活動に良好な効果を及ぼします。例えば、瞑想によって精神の明瞭さに関連する脳の部位が活性化する可能性があります。瞑想は多くの場合、体のリラクゼーションや心の穏やかさ、さらには慈愛や情緒の安定といった好ましい感情の状態をもたらします。
瞑想は心臓や血管の健康にも多くの有益な効果をもたらすと考えられています。米国心臓協会は、心血管疾患の予防における低リスク、低コストの介入として瞑想の使用を承認した一方で、瞑想に関する証拠は質が低いため、さらなる研究が必要であると指摘しています。
瞑想は、ストレスを軽減し、全体的な健康感を高めるのに役立ちます。痛みや神経疾患(パーキンソン病など)を含む慢性的な病態における瞑想の役割については現在研究が進められています。
さらなる情報
以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。
米国国立補完統合衛生センター(NCCIH):瞑想(Meditation)