ナチュロパシーは様々な文化圏の医療行為を参考に、1900年代初頭に米国で正統な医療システムとして始まりました。ナチュロパシーでは、自然の治癒力という考えに基づいて、以下のものが重視されます。
健康的な生活習慣を通じた疾患の予防と治療
その人すべての治療
身体に生来備わっている治癒力の利用
ナチュロパシーでは、単に症状を治療するというよりはむしろ、病気の原因を見つけることにも焦点をあてています。ナチュロパシーの原理の中には、アーユルベーダや中国伝統医学などの伝統的な癒しのシステムの原理とそれほど変わらないものもあります。ナチュロパシーには、心疾患、痛み、2型糖尿病、ならびにメンタルヘルスおよび慢性的な健康の問題がある人に有益となりうる、全体系的、全人的な哲学が関与します。
ナチュロパシーは次のような療法を組み合わせて行われます。
ナチュロパシーの施術者の中には、科学的根拠によって裏付けられていない手技を擁護している人もいます。水治療法がその一例です。また、予防接種によって病気や死亡を防ぐことができ、予防接種の便益がリスクを大きく上回ることが研究で示されているにもかかわらず、施術者の中には小児の予防接種を推奨しない人もいます。
ナチュロパシー療法に関しては、適切な試験デザインを有する研究はほとんど行われていません。
(統合、補完、代替医療の概要も参照のこと。)
さらなる情報
以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。
米国国立補完統合衛生センター(NCCIH):ナチュロパシー(Naturopathy)
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