ホモシスチン尿症はアミノ酸代謝異常症であり、アミノ酸であるホモシステインの代謝に必要な酵素であるシスタチオニンベータ合成酵素の欠損によって引き起こされます。この病気により、視力低下、知的能力障害、骨格異常などいくつかの症状が起こります。ホモシスチン尿症は、この病気を引き起こす遺伝子の異常が親からその子どもに受け継がれることで発生します。
ホモシステインを代謝する酵素の欠損により、ホモシスチン尿症が起こります。
症状には、知的能力障害、眼の異常、骨格の異常などがあります。
診断は血液検査の結果に基づいて下されます。
食事療法やビタミンB6、ベタイン、葉酸のサプリメントは、一部の小児に役立つ可能性があります。
アミノ酸はタンパク質の構成成分であり、体内で多くの機能を果たしています。体が必要とするアミノ酸は、体でつくられるものもあれば食物から摂取されるものもあります。
ホモシスチン尿症の小児は、アミノ酸であるホモシステインの分解(代謝)ができず、このアミノ酸と有害な代謝産物が蓄積して様々な症状を引き起こします。ホモシスチン尿症の症状は、軽度から重度まで様々です。
遺伝性疾患には様々な種類があります。ホモシスチン尿症では、患児の両親がともに異常な遺伝子のコピーを1つずつもっています。この病気は基本的に(潜性[劣性])遺伝子の異常なコピーが2つそろわなければ発生しないため、両親は通常、この病気をもっていません。(遺伝性代謝疾患の概要も参照のこと。)
ホモシスチン尿症の症状
ホモシスチン尿症の診断
新生児スクリーニング検査
米国の大半の州では、血液検査によるホモシスチン尿症の新生児スクリーニングがすべての新生児に対して義務づけられています。
ホモシスチン尿症の診断を確定するために、肝臓の酵素濃度を測定する検査やDNA検査が行われます。皮膚細胞に対する検査が行われることもあります。
ホモシスチン尿症の治療
さらなる情報
以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。
全米希少疾患患者協議会(National Organization for Rare Disorders[NORD]):希少疾患の一覧や支援団体、臨床試験に関する資料などの希少疾患に関する情報が親および家族向けに提供されています。
遺伝性疾患・希少疾患情報センター(Genetic and Rare Diseases Information Center[GARD]):希少疾患および遺伝性疾患に関する情報が分かりやすく提供されています。