スクリーニング検査とは、まだ症状を引き起こしていない病気を調べるために行われる検査です。出生時に分からない重篤な病気の多くは、様々なスクリーニング検査により発見できます。新生児の健全な発達を妨げるような多くの病気を早期に診断し、迅速に治療を行うことで、症状を軽くしたり、予防したりすることができます。米国では、どこでも決まって行われる検査もあれば、特定の州だけが義務づけている検査もあります。スクリーニング検査の結果が陽性の場合、しばしばさらに検査が行われます。
典型的なスクリーニング検査には以下のものがあります。
血液検査
酸素レベル測定
聴覚検査
すべての新生児について、皮膚と白眼の部分を観察したり、経皮的な測定器を用いたり、血液検査を行ったりすることによって、黄疸(血液中のビリルビン濃度の上昇によって起こる皮膚の黄染)の評価を行います。
治療可能な特定の遺伝性代謝疾患を見つけるため、多くの政府機関が、新生児を対象としたいくつかの血液検査を義務づけています。共通の検査として、フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ガラクトース血症、先天性副腎過形成症、鎌状赤血球症、甲状腺機能低下症に対する検査などがあります。嚢胞性線維症および重症複合免疫不全症の検査を義務づけている政府機関もあります。米国では、州によって義務づけている検査が異なります。州別のルーチン化された新生児スクリーニング検査の一覧は、州別のスクリーニング対象疾患(Conditions Screened By State)を参照してください。
医師は新生児の右手と右足に酸素センサー(パルスオキシメーター)を取り付け、酸素レベルを測定します。酸素レベルが低い、あるいは手と足でかなり差が大きい場合、先天性心疾患の可能性が示唆されます。
難聴がないか調べるため聴覚検査を行いますが、難聴は特定の先天異常や感染症に合併していることがあります。医師は手持ち式の微弱なクリック音を出す機器で、新生児の鼓膜から反響する音を測定します(誘発耳音響放射検査と呼ばれます)。
さらなる情報
役立つ可能性がある英語の資料を以下に示します。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。
各州のスクリーニング対象疾患(Conditions Screened By State):このウェブサイトは米国の各州が推奨する新生児スクリーニングを掲載しています。