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乳房パジェット病

(乳頭パジェット病)

執筆者:Vinod E. Nambudiri, MD, MBA, EdM, Harvard Medical School
レビュー/改訂 2024年 1月
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乳房パジェット病は乳がんの一種で、乳頭の下の乳腺から発生し、最初に皮膚に現れます。

本ページのリソース

乳房パジェット病は、主に乳頭に発生しますが、その病変は乳管のがんが乳頭の皮膚まで広がって生じたものです。男性にも女性にもみられます。皮膚の下にあるがんについては、本人も医師も、触知できる場合とできない場合があります。

乳房パジェット病が乳房以外の部位に発生する場合もあります(乳房外パジェット病と呼ばれます)。ときに、鼠径部、陰部、または肛門周辺において、その部位にある汗腺から生じたがんとして、あるいは膀胱、肛門、直腸など周囲の臓器から生じたがんとして発生することがあります。

パジェット病という用語は、乳頭パジェット病とは関係のない骨パジェット病と呼ばれる代謝性の骨疾患にも使われています。これらはまったく別の病気であり、混同しないように注意する必要があります。

乳房パジェット病の症状

乳房パジェット病の患部では、皮膚が赤くなってじくじくし、かさぶたができ、皮膚炎に似ていますが、境界がはっきりしています。この部分にはよくかゆみと痛みが伴います。

乳頭パジェット病
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乳頭パジェット病では、非浸潤性乳管がんが乳頭と乳輪に広がり、乳頭にかさぶたやかゆみ、灼熱痛が生じます。
DR M.A.ANSARY/SCIENCE PHOTO LIBRARY

乳房パジェット病の診断

  • 生検

パジェット病の外観はよくある皮膚炎と大変よく似ているため、診断を下すには生検が必要です。この検査では、皮膚の組織を少しだけ採取して、顕微鏡で調べます。

他のがんと同様に、乳房パジェット病の診断が確定すれば、医師は診察と検査を行って、がんが転移していないかどうかを調べます。

乳房パジェット病の治療

  • 基礎にある乳がんに対する治療法としては、乳頭および乳輪の切除などがあります。

  • 乳房外パジェット病については、手術またはレーザー療法

乳房パジェット病は通常、他のタイプの乳がんと同様に治療され、乳頭と乳輪(乳頭の周囲にある色素が沈着した皮膚の領域)を外科的に切除します。

乳房外パジェット病については、手術による腫瘍全体の切除、皮膚に塗る薬剤、放射線療法、またはレーザー療法で治療します。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

  1. 米国がん協会:乳房パジェット病(American Cancer Society: Paget Disease of the Breast):治療法選択肢と予後(経過の見通し)を含めた乳房パジェット病に関する情報

  2. 米国国立がん研究所:乳房パジェット病(National Cancer Institute: Paget Disease of the Breast):予後(経過の見通し)や研究および関連情報へのリンクを含めた乳房パジェット病に関する事実に基づく情報

  3. Susan G. Komen:乳房パジェット病(Susan G. Komen: Paget Disease of the Breast):乳房の健康に関する情報源や支援団体へのリンクを含めた、あらゆる種類の乳がんに関する情報源

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