テトラサイクリン系は、様々な細菌感染症の治療で使用される抗菌薬のグループです。
テトラサイクリン系薬剤としては以下のものがあります。
ドキシサイクリン
エラバサイクリン(eravacycline)
ミノサイクリン
オマダサイクリン(omadacycline)
テトラサイクリン
テトラサイクリン系薬剤は通常、内服薬として使用され、細菌が増殖するのに必要なタンパク質を作り出すのを妨げることによって作用します。
テトラサイクリン系薬剤は、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、または鉄を含有する製品と一緒に使用してはいけません。そのような製品としては、一部の制酸薬や、多くのビタミンやミネラルのサプリメントがあります。
テトラサイクリン系薬剤とオマダサイクリン(omadacycline)は空腹時に多量の水とともに服用すべきです。食物(特に牛乳、ヨーグルト、チーズやアイスクリームなどの乳製品)によって薬剤の吸収(経口投与後に薬が血液中に移動すること)が低下するためです。
ミノサイクリンとドキシサイクリンは、食物によって吸収が低下しないため、食事と一緒に服用することも、空腹時に服用することもできます。
ドキシサイクリン、ミノサイクリン、テトラサイクリンは、注射でも経口でも投与できます。エラバサイクリン(eravacycline)は静脈内への注射のみ可能です。
(抗菌薬の概要も参照のこと。)
妊娠中や授乳期間中のテトラサイクリン系薬剤の使用
妊娠中の女性はテトラサイクリン系薬剤を服用してはいけません。これらの薬剤は胎児の歯と骨の発育に影響を及ぼす可能性があり、妊娠の後期に用いた場合、胎児の歯に恒久的な色素沈着を生じさせることがあります。(妊娠中の薬の使用も参照のこと。)
授乳期間中のテトラサイクリン系薬剤の使用は通常勧められません。(授乳期間中の薬の使用も参照のこと。)