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内分泌系への加齢の影響

執筆者:William F. Young, Jr, MD, MSc, Mayo Clinic College of Medicine
レビュー/改訂 2022年 4月 | 修正済み 2022年 9月
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内分泌系は、ホルモンをつくって分泌することにより体の様々な機能の調節や制御を行う腺や器官の集まりです。ホルモンとは、体の他の部分の働きに影響を与える化学物質のことです。ホルモンはメッセンジャーとして働き、体のそれぞれの部位の活動を制御し、協調させます。(内分泌腺も参照のこと。)

ほとんどのホルモンの血中濃度は加齢とともに低下しますが、高齢になっても同程度の濃度が保たれるホルモンや、より増加するホルモンもあります。ホルモン濃度が下がらなくても、年齢を重ねるとホルモン受容体の感受性が低下するため、内分泌機能は全般的に低下します。

加齢に伴って減少するホルモンには次のものがあります。

  • エストロゲン(女性)

  • テストステロン(男性)

  • 成長ホルモン

  • メラトニン

女性では、エストロゲン濃度が閉経とともに減少します。男性では、テストステロン濃度が通常は徐々に減少します。成長ホルモン濃度の減少は筋肉量の減少と筋力低下につながります。メラトニン濃度の減少は、加齢に伴う正常な起床サイクル(概日リズム)の乱れに重要な役割を果たしている可能性があります。

通常は変化しない、またはわずかにしか減少しないホルモンには次のものがあります。

  • コルチゾール

  • インスリン

  • 甲状腺ホルモン

増加するホルモンには次のものがあります。

  • 卵胞刺激ホルモン

  • 黄体形成ホルモン

  • 副甲状腺ホルモン

加齢に伴うホルモンの変化の中には、生活の質に影響を及ぼしたり、不快な症状(ホットフラッシュ[ほてり]など)を引き起こしたりするものがあります。閉経後の女性におけるエストロゲンおよびプロゲステロン療法については閉経の章で説明します。高齢男性に対するテストステロン補充療法については男性生殖器系への加齢の影響の章で説明します。

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