立ちくらみの主な原因と特徴

原因

一般的な特徴*

検査

中枢神経系†の病気

多系統萎縮症

筋肉のこわばり

ゆっくりとしたぎこちない動き

協調運動障害や平衡感覚の消失

尿失禁または排尿困難

医師の診察

ときにMRI検査

パーキンソン病

筋肉のこわばり

振戦

遅くてぎこちない動きと引きずり歩行

歩行困難

医師の診察のみ

何度か発生した場合は脳卒中

脳卒中の病歴がある人にみられる

医師の診察のみ

脊髄の病気

脊髄に広がった梅毒(脊髄ろう)

刺すような強い痛みが脚に現れては消える

歩行時のふらつき

脚の感覚が弱くなる、しびれまたはピリピリ感

梅毒の血液検査のほか、ときに腰椎穿刺(髄液を採取するため)

腫瘍

背部痛

脚の筋力低下と感覚の低下

MRI検査

末梢神経†の病気

アミロイドーシス

しびれ、ピリピリ感、筋力低下

生検

糖尿病、過度の飲酒、または栄養欠乏症による神経の損傷

しばしば手足の焼けつくような痛みやしびれ

ときに筋力低下

通常は、神経の損傷を引き起こす可能性がある病気がある人にみられる

神経伝導検査および筋電図検査

純粋自律神経不全症

ときに発汗量が低下し、暑さに耐えられない

便秘または便失禁(排便をコントロールできなくなること)

排尿困難

医師の診察

血液検査

血液量の減少(循環血液量減少)

脱水

のどの渇き、尿量の減少、ときに混乱

医師の診察のみ

大量の出血

多くの場合、けがをした人や手術を受けた人にみられる

血便または黒いタール状の便

血便の検査を含む医師の診察

血算

副腎の活動低下

筋力低下および疲労

血液検査

心臓と血管の病気

不整脈

ときに胸痛

動悸(心臓の拍動が自覚されること)

疲労

息切れ

症状はしばしば突然起こる

イベントレコーダー

慢性静脈不全症(結果として脚に血液がたまる)

長期にわたる片脚または両脚のむくみ

足首または脚に慢性的な軽度の不快感やうずきがあるが、痛みはない

ときに皮膚の一部の領域に革のような質感をした赤褐色の部分ができ、通常は下腿(膝から足首までの部分)に浅いただれがみられる

しばしば静脈瘤

医師の診察

心不全

息切れおよび疲労

医師の診察

通常は心エコー検査(心臓の超音波検査)

心臓発作(心筋梗塞)

胸の痛みや圧迫感

息切れまたは疲労

ときに最近心臓発作を起こした人にみられる

心電図検査と心筋マーカー(心臓の損傷を示す物質)を測定する血液検査

心臓弁膜症

息切れ

しばしば胸の痛みや圧迫感

心エコー検査

アルドステロン(アルドステロン症)またはカテコールアミン(褐色細胞腫)というホルモンの高値、通常は副腎の腫瘍が原因

筋力低下、ピリピリ感、筋肉のけいれん、高血圧、頭痛

血液検査

薬剤

高血圧または狭心症に対する薬剤で、カルシウム拮抗薬、クロニジン、利尿薬(フロセミドなど)、メチルドパ、硝酸薬、プラゾシン、まれにベータ遮断薬

これらの薬のいずれかを使用していることが判明している人

医師の診察

ときに薬剤を中止して症状が消えるかどうか確かめる

中枢神経系に作用する薬:抗精神病薬(特にフェノチアジン系薬剤)、モノアミン酸化酵素阻害薬、三環系または四環系抗うつ薬

これらの薬のいずれかを使用していることが判明している人

医師の診察のみ

鎮静薬:アルコールまたはバルビツール酸系薬剤

これらの薬のいずれかを使用していることが判明している人

医師の診察のみ

その他の薬:キニジンまたはビンクリスチン

これらの薬のいずれかを使用していることが判明している人

医師の診察のみ

その他の問題

加齢に伴う血圧調節の変化

高齢者

このほかに症状はない

医師の診察のみ

長期の床上安静

長期にわたり床上安静していた人にみられる

医師の診察のみ

低カリウム血症(血液中のカリウム濃度が低くなった状態)

筋力低下および筋けいれん

しびれてチクチクする感じ

多くの場合、特定の利尿薬を服用している人

血液検査

*特徴としては症状や診察結果を示しています。示されている特徴は典型的なものですが、常に認められるわけではありません。

†中枢神経系とは脳と脊髄のことを指します。末梢神経系には、脳と脊髄を除く神経が含まれます。

CT = コンピュータ断層撮影、ECG = 心電図検査、MRI = 磁気共鳴画像。

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