糖代謝異常症の概要

執筆者:Matt Demczko, MD, Mitochondrial Medicine, Children's Hospital of Philadelphia
レビュー/改訂 2024年 3月
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糖代謝異常症は遺伝性代謝疾患です。遺伝性疾患は、それらの病気を引き起こす遺伝子の異常が親からその子どもに受け継がれることで発生します。

遺伝性疾患には様々な種類があります。多くの遺伝性代謝疾患では、患児の両親がともに異常な遺伝子のコピーを1つずつもっています。この病気は基本的に(潜性[劣性])遺伝子の異常なコピーが2つそろわなければ発生しないため、両親は通常、この病気をもっていません。一部の遺伝性代謝疾患はX連鎖性ですが、これは男児に遺伝子の異常なコピーが1つあるだけで病気が発生することを意味します。(遺伝性代謝疾患の概要も参照のこと。)

炭水化物は糖類です。糖類には構造が単純なものと複雑なものとがあります。スクロース(ショ糖)は、グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)という2つの単純な糖からできています。ラクトース(乳糖)はグルコースとガラクトースでできています。スクロースとラクトースはどちらも、酵素の働きで単純な糖に分解されないと、体内に吸収して利用することができません。パン、めん類、米などの食品に含まれる炭水化物は、単純な糖分子が長くつながってできています。これらの糖分子も体内で分解されなければなりません。 ある糖の分解プロセスに必要な酵素が欠損していると、その糖が体内に蓄積して異常を引き起こします。

糖代謝異常症には、以下のような病気があります。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

  1. 全米希少疾患患者協議会(National Organization for Rare Disorders[NORD]):希少疾患の一覧や支援団体、臨床試験に関する資料などの希少疾患に関する情報が親および家族向けに提供されています。

  2. 遺伝性疾患・希少疾患情報センター(Genetic and Rare Diseases Information Center[GARD]):希少疾患および遺伝性疾患に関する情報が分かりやすく提供されています。

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