弾性線維性仮性黄色腫は、皮膚、眼、血管に異常が生じる、まれな遺伝性結合組織疾患です。
結合組織は頑丈で、その多くは線維性であり、互いに結合して体の構造を支えるとともに、弾力性をもたらしています。弾性線維性仮性黄色腫は、ある遺伝子の突然変異によって引き起こされます。
弾性線維性仮性黄色腫では、伸びた組織が再び元に戻るようにする結合組織の線維(弾性線維)が硬くなります。弾性線維は皮膚や全身の様々な組織にあり、血管もその中に含まれます。血管が硬くなると、正常な拡張能力を失い、必要なだけの血液を流せなくなることがあります。さらに、血管の収縮も妨げられます。
弾性線維性仮性黄色腫の症状
首、わきの下、脚の付け根、へその周りの皮膚が、やがて厚くなって溝ができ、柔軟性を失い伸びた状態になります。黄色がかったぶつぶつの隆起ができて、皮膚がミカンの表面や羽毛をむしりとられたニワトリの皮のようになります。見た目の変化は、小児が幼いうちは軽度で見逃すことがありますが、成長するにつれ目立つようになります。
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弾性線維性仮性黄色腫の合併症
弾性線維性仮性黄色腫の診断
弾性線維性仮性黄色腫の予後(経過の見通し)
弾性線維性仮性黄色腫には根治的な治療法がなく、異常な結合組織を正常に戻す方法もありません。
合併症によって、余命が短くなることがあります。
弾性線維性仮性黄色腫の治療
合併症とけがの予防と治療
弾性線維性仮性黄色腫には根治的な治療法がないため、治療は合併症とけがの予防および治療を目的として行われます。
アスピリンや非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、抗凝固薬(例、ワルファリン)など、胃や腸に出血を引き起こすおそれがある薬の服用は避けるべきです。
早期の動脈硬化やその他の血管の合併症の発生リスクを減らすため、血液中の脂肪(脂質)の濃度は食事や場合によっては薬で十分にコントロールする必要があります。
血管の成長を抑える薬(例、ベバシズマブ)による治療は、眼の網膜色素線条症(血管様の線状病変)がある場合に役立つことがあります。
人と接触するスポーツは眼にけがをするリスクがあるため、弾性線維性仮性黄色腫の患者は控えるべきです。