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爪膝蓋骨(そうしつがいこつ)症候群は、腎臓、骨、関節、手足の爪に異常が生じる、まれな遺伝性疾患です。
爪膝蓋骨症候群は、腕や脚と腎臓の発育において重要な役割を担う遺伝子の突然変異によって起こります。
一般に、この症候群の患者は、左右の膝蓋骨(俗にいう「膝のお皿」の骨)の一方または両方が欠損し、橈骨(とうこつ)という腕の骨の片側が肘で脱臼していて、骨盤が異常な形をしています。
手足の爪がなかったり、あっても発達が不完全で、くぼんだり隆起したりしています。
この症候群の患者の約50%では、尿に血液(血尿)やタンパク質(タンパク尿)がみられます。腎臓に障害がある患者の約30%は、いずれ腎不全を発症します。腎臓に問題がある人では、しばしば高血圧がみられます。
爪膝蓋骨症候群の診断
爪膝蓋骨症候群の治療
血圧のコントロール
ときに、透析または腎移植
爪膝蓋骨症候群に対する効果的な治療法はありません。
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬と呼ばれる薬を投与し、血圧やタンパク尿をコントロールすることで、腎機能が悪化する速度を遅くできる場合があります。
子どもをもつことを希望する人には遺伝子検査を提案すべきです。
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