小児におけるウイルス感染症の概要

執筆者:Brenda L. Tesini, MD, University of Rochester School of Medicine and Dentistry
レビュー/改訂 2021年 7月
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    ウイルスは真菌や細菌よりはるかに小さく、生きた細胞に侵入しないと増殖(複製)できない感染性微生物です(ウイルス感染症の概要を参照)。

    ウイルス感染症はあらゆる年齢の人でよくみられますが、しばしば乳児と小児に集中的に発生すると考えられます。小児期のウイルス感染症の大半は、重篤なものではなく、これにはかぜ(感冒)、のどの痛み嘔吐下痢発疹を伴う発熱などの多様な病気が含まれます。麻疹(はしか)などの、より重篤なウイルス感染症は、現在では予防接種の普及により、まれな病気になりました。小児が発症する可能性があるウイルス感染症の一部は、成人のウイルス感染症で説明します。

    一般的に、親は、小児の病態が重篤になる可能性のある感染症によるものかどうか、すぐに治療が必要かどうかを判断できます。これは特に乳児期を超えた小児に当てはまります。大部分のウイルス感染症は、特有の症状がみられるため、医師は症状に基づいて診断できます。通常は、原因ウイルスを特定する臨床検査は必要ありません。

    ウイルス感染症の小児の大半は治療をしなくても回復します。多くのウイルス感染症では、発熱、全身の痛み、不快感が起こります。これらの症状に対しては、ときにアセトアミノフェンかイブプロフェンによる治療が行われます。アスピリンは、これらの症状が出ている小児や青年に対しては使用しませんが、これはある種のウイルス感染症の患者ではアスピリンの使用によってライ症候群のリスクが上昇するためです。抗菌薬はウイルス感染症には効きません。しかし、肝炎、一部のヘルペスウイルスインフルエンザヒト免疫不全ウイルス(HIV)などのいくつかのウイルス感染症には抗ウイルス薬が利用できます。

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