足の指の付け根にある趾間神経(しかんしんけい)が刺激されることで、神経が腫大することがあり、足の指の付け根に痛みが生じます。
典型的な症状としては、足の中指や薬指の周囲の軽い痛みなどがあり、これは焼けるような感覚やピリピリする感覚に進行します。
診断は病歴と足の診察結果に基づいて下されます。
履物の変更、パッドの使用、ときにコルチコステロイドの注射が症状の緩和に役立つことがあります。
(足の異常の概要も参照のこと。)
足の神経損傷は、足の指の付け根の痛み(中足骨痛)の一般的な原因です。
足の神経損傷の原因
足の裏と足の指を支配する神経(趾間神経)は、足の指の骨の間を通っています。足の指の付け根では、神経が長時間刺激されることで、痛みが起こることがあります。刺激によってしばしば神経が腫大し、神経周囲の組織にがんではない(良性の)肥厚(神経腫)が、通常は足の中指と薬指の間にできます(モートン病)。ただし、こうした神経への刺激は足のどの指の間にも生じる可能性があります。神経腫は、通常片足のみに発生し、女性に多くみられます。
多くの要因、特にサポートが十分にない靴やきつい靴が神経の刺激の一因になります。その他の要因としては、足の指の付け根の脂肪が薄くなる、足の向きが悪い、足の構造の異常で神経が伸ばされる、などがあります。
足の神経損傷の症状
初期の段階では、神経腫は、足の中指や薬指の周囲に軽い痛みを引き起こすことがあり、ときおり(特に病気が進行するにつれて)足の指に焼けるような感覚やピリピリする感覚が伴います。このような症状は一般に、特定のタイプの靴、特に先の方が狭すぎるもの(つま先がとがっているものなど)を履いている場合に顕著に現れます。この病気が進行すると、どんな靴を履いても、持続的な灼熱感(焼けるような感覚)が、つま先に広がることがあります。やがて、大半の患者が、つま先の閉じた靴のほとんどを履けなくなります。足の指の付け根に、ビー玉や小石が入っているかのように感じる人もいます。
足の神経損傷の診断
足の神経損傷の治療
履物の変更
注射
圧痛のある部位にコルチコステロイドと麻酔薬の混合液を注射したり、適切な靴と、ときに装具(靴の中に入れる器具)を使用したりすると症状が軽減する可能性があります。安静と氷冷も推奨されることがあります。
ときには、凍結療法(低温のものをあてがう)や神経腫へのアルコールの注射によって、痛みが軽減することもあります。これらの治療が役に立たない場合は、手術で神経腫を切除することで、しばしば不快感が完全に取り除かれますが、その部位の感覚が永久的に失われることがあります。