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便失禁とは、排便をコントロールできなくなることです。
便失禁の原因
便失禁の診断
便失禁の治療
排便を規則正しくする方法
肛門括約筋の訓練とときにバイオフィードバック法
ときに手術
便失禁を治す最初のステップは、よく固まった便を出す規則的な排便パターンを確立しようとすることです。水分を十分にとることや少量の食物繊維を加えるといった食習慣の変更もしばしば助けになります。規則的な排便パターンを確立するために坐薬や浣腸を用いることもありますが、そのような対応で改善がみられない場合は、ロペラミドなど排便を遅らせる薬剤と低繊維食で排便の頻度を減らせることがあります。
肛門括約筋の収縮と弛緩を繰り返す訓練を行うと、括約筋の緊張度と筋力が増加し、特に軽度の場合は効果が高いです。バイオフィードバック法と呼ばれる技法は、肛門括約筋を再訓練し、便の存在に対する直腸の感受性を高めるのに役立つ可能性があります。前向きに取り組む患者の約70%で、バイオフィードバック法が有益です。
便失禁が続く場合は手術が助けになることもあり、これは例えば、肛門の損傷や肛門の解剖学的異常が原因の場合です。場合によっては、仙骨神経刺激装置と呼ばれる機器を手術で体内に埋め込み、筋肉を刺激して収縮させ、漏れを防ぐことで失禁の症状を緩和します。
最後の手段として、人工肛門造設術(大腸と腹壁をつなぐ開口部をつくる手術―図「人工肛門造設術について理解する」を参照)が行われることがあります。人工肛門造設術では、肛門は縫い合わせて封鎖され、便は腹壁の開口部に取り付けた着脱可能なビニール袋の内に入ります。
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