筋ジストロフィーとは何ですか?
ジストロフィーとは、やせ衰えるという意味です。筋ジストロフィーは、筋肉がやせ衰えるという、親から受け継がれる(遺伝性の)病気の集まりを指します。
筋ジストロフィーの人は、筋肉の発達と機能を制御する遺伝子の異常を受け継いでいます。
いろいろな種類の筋ジストロフィーがいろいろな筋肉に影響を及ぼします。
影響を受けた筋肉の力が弱くなります。
心筋や呼吸を制御する筋肉の力が弱くなることもあり、これはとても危険です。
筋ジストロフィーは治すことはできませんが、理学療法で症状をやわらげることができます。
筋ジストロフィーには次の種類があります:
顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー:一番よくみられる種類の筋ジストロフィーで、症状は7歳から20歳の間に始まり、顔と肩の筋肉の力が弱くなります。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーとベッカー型筋ジストロフィー:2番目によくみられ一番重症の筋ジストロフィーで、小児期または10代に筋力低下がみられ、ほぼ常に男児に起こります。
エメリー-ドレイフス型筋ジストロフィー:この種類は、上腕、下腿、そしてよく心臓に影響を及ぼします(心臓の問題は突然死につながる可能性があります)。
肢帯型筋ジストロフィー:この種類は肩と股関節の筋肉に影響を及ぼします。
筋力低下の原因となるほかの筋肉の病気には次のものがあります:
先天性ミオパチー:生まれつき、または乳児のときにあらわれる筋肉の問題の集まり
家族性周期性四肢麻痺:なりやすい体質が家族のなかで受けつがれるまれな病気で、筋力低下と麻痺(体の一部または全体を動かすことができない)が突然あらわれます。
糖原病:なりやすい体質が家族のなかで受けつがれるまれな病気の集まりで、グリコーゲン(糖からできるデンプン)が筋肉のなかにたまります。
筋ジストロフィーの原因は何ですか?
筋ジストロフィーは、両親のどちらかから受けつがれる異常な遺伝子が原因で起こります。異常な遺伝子によって筋肉の働きが影響を受けます。
筋ジストロフィーにはどのような症状がありますか?
筋ジストロフィーの種類によっては、小児期から症状があらわれます。10代や大人になってからなど、もっと後に症状があらわれる場合もあります。
次のような症状があらわれます:
筋力低下
麻痺(体の一部または全体を動かせない)
腕を上げるのがむずかしい
子どもでは、歩きはじめるのがおくれたり、走る、飛び上がる、階段をのぼるなどの動作がむずかしい
医師はどのようにして、私が筋ジストロフィーかどうかを判断しますか?
医師は、あなたの症状と家族歴から筋ジストロフィーではないかと疑います。確かめるために、医師は次のことをします:
血液検査
筋生検(医師が筋肉の小さなかけらをとって顕微鏡で調べる検査)
医師は筋ジストロフィーをどのように治療しますか?
完全に治す方法はありませんが、医師は次のような方法で筋ジストロフィーを治療します:
理学療法
足首または脚の装具
薬
筋ジストロフィーの人は、不整脈をコントロールするためにペースメーカーが必要になることもあります。
筋ジストロフィーについてのくわしい情報は、どこで教えてもらえますか?
米国筋ジストロフィー協会(Muscular Dystrophy Association)