高血圧

執筆者:Matthew R. Weir, MD, University of Maryland School of Medicine
Reviewed ByJonathan G. Howlett, MD, Cumming School of Medicine, University of Calgary
レビュー/改訂 修正済み 2025年 2月
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高血圧とは,安静時の収縮期血圧(130mmHg以上),拡張期血圧(80mmHg以上),またはその両方が高値で維持されている状態である。因不明の高血圧(本態性高血圧)が最も多くを占める。原因が判明する高血圧(二次性高血圧)は通常,原発性アルドステロン症に起因する。二次性高血圧のその他の原因としては,睡眠時無呼吸症候群,慢性腎臓病,腎動脈狭窄症がある。高血圧は通常,重症化するか長期間持続する結果として脳,心臓,または腎臓に標的臓器障害が生じない限り,症状を引き起こさない。診断は血圧測定による。原因の同定,臓器損傷の評価,その他の心血管系危険因子の同定などを目的として検査を行うこともある。治療としては,生活習慣の改善と利尿薬,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬,アンジオテンシンII受容体拮抗薬,カルシウム拮抗薬などによる薬物療法を行う。

高血圧は,収縮期血圧が130mmHg以上であるか,拡張期血圧が80mmHg以上であるか,高血圧の治療薬を服用している場合と定義される。この定義は,大規模集団における血圧値と心血管イベントの発生傾向の関係に基づいている。米国では成人の半数近くに高血圧がみられる。それらの人々の多くは自身に高血圧があることを認識していない。高血圧を有する成人の約80%が薬物療法と生活習慣の改善による治療の開始を勧められるが,実際に治療を受ける高血圧患者の割合は約50%に過ぎない(1)。

薬物療法と生活習慣の改善を行った場合でも,血圧が目標値に達する(コントロールされる)患者の割合はわずか26%であり,治療を受けて血圧が目標値に達していない成人を見ると,その60%近くで血圧が140/90mmHg以上となっている(1)。

高血圧は,非ヒスパニック系の白人成人(49%),非ヒスパニック系のアジア人成人(45%),およびヒスパニック系成人(39%)と比べて,非ヒスパニック系の黒人成人(58%)で多くみられる(1)。降圧薬の服用と生活習慣の改善を推奨されている成人では,非ヒスパニック系の黒人成人(20%),非ヒスパニック系のアジア人成人(24%),およびヒスパニック系成人(23%)と比べて,非ヒスパニック系の白人成人(31%)で血圧コントロール率が高くなっている(1)。

血圧は加齢とともに上昇する。65歳以上の高齢者の約3分の2で高血圧がみられ,55歳で血圧が正常な個人における高血圧の生涯発生リスクは90%である(2)。高血圧は加齢とともに一般的になっていくが,血圧が高いほど疾患発生や死亡のリスクが高くなるため,治療の重要性は変わらない。

妊娠中の高血圧は,生じる合併症を変化させるため,特別な配慮を必要とする。妊娠中に発生した高血圧は妊娠終了後に軽快することがある(妊娠中の高血圧ならびに妊娠高血圧腎症および子癇を参照)。

American College of Cardiology/American Heart Association(ACC/AHA)による定義では,成人の血圧のカテゴリーとして正常,正常高値血圧,ステージ1(軽症)の高血圧,ステージ2の高血圧が設定されている(3)(の表を参照)。乳児,小児,および青年における血圧の正常値は,成人のそれよりもはるかに低い(4)。

表&コラム
表&コラム

総論の参考文献

  1. 1.Million Hearts: Estimated Hypertension Prevalence, Treatment, and Control Among U.S. Adults.https://millionhearts.hhs.gov/data-reports/hypertension-prevalence.html March 21, 2021.Accessed November 19, 2024.https://millionhearts.hhs.gov/data-reports/hypertension-prevalence.html

  2. 2.Vasan RS, Beiser A, Seshadri S, et al.Residual lifetime risk for developing hypertension in middle-aged women and men: The Framingham Heart Study. JAMA 287(8):1003-1010, 2002.doi:10.1001/jama.287.8.1003

  3. 3.Whelton PK, Carey RM, Aronow WS, et al.2017 ACC/AHA/AAPA/ABC/ACPM/AGS/APhA/ASH/ASPC/NMA/PCNA Guideline for the Prevention, Detection, Evaluation, and Management of High Blood Pressure in Adults: Executive Summary: A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Clinical Practice Guidelines [published correction appears in Hypertension. 2018 Jun;71(6):e136-e139] [published correction appears in Hypertension. 2018 Sep;72(3):e33]. Hypertension 71(6):1269-1324, 2018.doi:10.1161/HYP.000000000000006

  4. 4.Flynn J.T, Kaelber DC, Baker-Smith CM, et al; Subcommittee on Screening and Management of High Blood Pressure in Children: Clinical practice guideline for screening and management of high blood pressure in children and adolescents.Pediatrics 140(3):e20171904, 2017.

高血圧の病因

高血圧は以下の場合がある:

  • 本態性(特異的な原因がないものー全症例の85%)

  • 二次性(原因が同定されるもの)

本態性高血圧

血行動態と生理学的要素(例,血漿量,レニン-アンジオテンシン系の活性)が一様でないことから,本態性高血圧が単一の原因で生じる可能性は低いことが示唆されている。たとえ単一の因子が認識されていても,持続的な血圧高値には,おそらく複数の因子が関係していると考えられる(モザイク説)。遺伝は素因の1つであるが,遺伝因子が何らかの役割を果たす正確な機序は不明である。若年では,環境因子(例,食事由来のナトリウム,ストレス)は遺伝的感受性のある個人にのみ作用すると考えられるが,65歳以上の患者では大量の食塩摂取で高血圧が誘発される可能性が高くなる。

二次性高血圧

一般的な原因としては以下のものがある(1):

甘草が血圧コントロールの悪化に寄与する可能性がある。糖尿病の患者には一般的に高血圧もみられるが,糖尿病は二次性高血圧の原因の1つとは考えられていない。

病因論に関する参考文献

  1. 1.Rimoldi SF, Scherrer U, Messerli FH: Secondary arterial hypertension: when, who, and how to screen? Eur Heart J 35(19):1245–1254, 2014.doi:10.1093/eurheartj/eht534

  2. 2.Brown JM, Siddiqui M, Calhoun DA, et al: The unrecognized prevalence of primary aldosteronism: A cross-sectional study. Ann Intern Med 173(1):10–20, 2020.doi:10.7326/M20-0065

高血圧の病態生理

血圧は心拍出量と全末梢血管抵抗(TPR)の積に等しいことから,発生機序には以下が関与している:

  • 心拍出量の増加

  • TPRの上昇

  • その両方

大半の高血圧患者では,心拍出量は正常かわずかに増加し,TPRは増大する。このパターンは,本態性高血圧と原発性アルドステロン症褐色細胞腫腎血管疾患,および腎実質性疾患による二次性高血圧に典型的である。

その他の患者では,心拍出量が増加し(太い静脈に生じる静脈収縮が原因である可能性がある),TPRは心拍出量に対して不自然な正常値となる。病態が進行すると,TPRが増大し,心拍出量は正常化するが,これらはおそらく自己調節による。

心拍出量を増加させる一部の疾患(例,甲状腺中毒症動静脈瘻大動脈弁逆流症)には,特に一回拍出量が増加する場合に,孤立性収縮期高血圧を惹起するものもある。一部の高齢患者では,心拍出量が正常または低下した状態で孤立性収縮期高血圧がみられるが,これはおそらく大動脈とその主要分枝の弾性の低下によるものである。拡張期血圧が高く維持されている患者では,しばしば心拍出量が低値となる。

血漿量は血圧の上昇に伴い低下する傾向にあり,まれに血漿量は正常のままか増加する。原発性アルドステロン症または腎実質性疾患に起因する高血圧では,血漿量が増加する傾向にあり,褐色細胞腫に起因する高血圧ではかなりの減少をみることがある。

ナトリウム輸送の異常

高血圧患者の多くでは,ナトリウム-カリウムポンプ(Na+,K+-ATPase)の欠損もしくは阻害,またはナトリウムイオン透過性の増大により,血管の細胞膜を介したナトリウム輸送に異常を来している。その結果,細胞内のナトリウムとカルシウムが増加し,交感神経刺激に対する細胞の感受性が亢進する。Na+,K+-ATPaseはノルアドレナリンを交感神経のニューロン内に回収する(したがって,この神経伝達物質を不活性化する)ことができるため,この機序の阻害によってもノルアドレナリンの作用が増強し,血圧が上昇する可能性がある。ナトリウム輸送の障害は,本人は正常血圧であるが,高血圧の親をもつ小児で発生することがある。

交感神経系

交感神経刺激は血圧を上昇させるが,高血圧の患者では通常,正常血圧の患者と比較して,より大きな上昇がみられる。この反応性の亢進が交感神経系と心筋および血管平滑筋のどちらで生じているのかは不明である。

安静時脈拍数の増加は,交感神経活性の亢進に起因している可能性があり,高血圧の予測因子としてよく知られている。

一部の高血圧患者では,安静時の循環血漿中カテコラミン濃度が異常高値となる。

レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系

レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系は血液量,ひいては血圧の調節に関与している。傍糸球体装置で産生される酵素のレニンは,アンジオテンシノーゲンからアンジオテンシンIへの変換を触媒する。この非活性産物は主に肺のほか,腎臓および脳においてアンジオテンシン変換酵素(ACE)による分断を受けて強力な血管収縮物質であるアンジオテンシンIIとなり,これが脳の自律神経中枢も刺激して交感神経の放電を増大させ,アルドステロンおよびバソプレシンの分泌を刺激する。アルドステロンはナトリウムの貯留を,バソプレシンは水の貯留を引き起こすことで,血圧を上昇させる。アルドステロンはカリウムの排泄も促進するため,血漿カリウム濃度の低下(3.5mEq/L[3.5mmol/L]未満)により,カリウムチャネルの閉鎖を介した血管収縮が亢進する。

レニンの分泌は,互いに排他的ではない少なくとも4つの機序によって制御される:

  • 腎血管の受容体が輸入細動脈壁の張力変化に反応する

  • 緻密斑の受容体が遠位尿細管での塩化ナトリウムの輸送速度または濃度の変化を検出する

  • 血中のアンジオテンシンIIがレニン分泌に対してネガティブフィードバックをもたらす

  • 交感神経系が(腎臓の神経を介して)β受容体を媒介するレニン分泌を刺激する。

腎血管性高血圧では,一般に(少なくとも発症早期には)アンジオテンシンII濃度の上昇が関係していると考えられているが,本態性高血圧でレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系が果たす役割は確立されていない。しかしながら,アフリカ系の高血圧患者と高齢の高血圧患者ではレニン濃度が低い傾向がある(1)。高齢患者ではアンジオテンシンII濃度も低い傾向があり,これには高血圧の体液量への依存性と塩分に対する感受性が強いことが関係している可能性がある。

慢性腎実質性疾患による高血圧(腎実質性高血圧)は,レニンに依存する機序と体液量に依存する機序が組み合わさって発生する。大半の症例では,血漿レニン活性の亢進は明白とならない。高血圧は典型的には中等度で,ナトリウムと水のバランスに大きく影響を受ける。

血管拡張物質の欠乏

血管収縮物質(例,アンジオテンシン,ノルアドレナリン)の過剰ではなく,血管拡張物質(例,ブラジキニン,一酸化窒素)の欠乏によって高血圧を来す場合もある。一酸化窒素濃度は動脈の硬化により加齢とともに低下しているが,この減少は食塩感受性に寄与する(すなわち,少量の食塩摂取で血圧が上昇する)(2)。一酸化窒素濃度が低下した状態では,大きなナトリウム負荷(例,塩分の多い食事)によって,10~20mmHgを超える収縮期血圧の上昇が生じることがある。

腎臓で十分な量の血管拡張物質が(腎実質性疾患により)産生されない場合,血圧が上昇する可能性がある。

血管拡張物質および血管収縮物質(主にエンドセリン)は内皮細胞でも産生される。したがって,内皮機能障害は血圧に大きな影響を及ぼす。

病理および合併症

高血圧の初期には病理学的変化は起こらない。重症または長期の高血圧は標的臓器(主に心血管系,脳,腎臓)に損傷を与え,以下のリスクを増大させる:

血圧が高値になると,全身性に細動脈硬化が発生し,アテローム形成が加速される。細動脈硬化は小径動脈(細動脈)の中膜の肥厚,過形成,および硝子化を特徴とし,眼および腎臓で顕著に認められる。腎臓では,この変化により細動脈の内腔が狭くなり,TPRが上昇するため,高血圧がさらなる高血圧につながる。さらに,一旦動脈が狭小化すると,すでに肥厚している平滑筋がわずかに短縮するだけで,正常径の動脈と比較して内腔が大幅に小さくなる。高血圧が長期化するに従い,二次的な原因に対する特異的治療(例,腎血管手術)により血圧が正常化する可能性が低くなっていくことは,これらの作用によって説明することができる。したがって,軽度の血圧上昇(すなわち,拡張期血圧が正常範囲内でも収縮期血圧が120~129mmHgの場合)でも,早期の診断と治療が有益になる可能性があり,特に高血圧の家族歴を有する若年患者ではその可能性が高い。

血圧が上昇している患者では後負荷が増大するため,左室が徐々に肥大していき,拡張機能障害を来すようになる。心室は最終的に拡張して,拡張型心筋症を来し,しばしば動脈硬化性冠動脈疾患によって増悪する心不全が惹起される。胸部大動脈解離は典型的に高血圧の結果として発生し,腹部大動脈瘤患者のほぼ全例に高血圧がみられる。

病態生理に関する参考文献

  1. 1.Williams SF, Nicholas SB, Vaziri ND, Norris KC.African Americans, hypertension and the renin angiotensin system. World J Cardiol 6(9):878-889, 2014.doi:10.4330/wjc.v6.i9.878

  2. 2.Fujiwara N, Osanai T, Kamada T, et al: Study on the relationship between plasma nitrite and nitrate level and salt sensitivity in human hypertension: modulation of nitric oxide synthesis by salt intake.Circulation 101:856–861, 2000.

高血圧の症状と徴候

高血圧は通常,標的臓器で合併症が発生するまで無症状である。重度の高血圧(典型的には収縮期血圧180mmHg以上または拡張期血圧120mmHg以上の場合と定義される)でも,無症状のことがある(高血圧切迫症)。重度の高血圧によって心血管系,神経系,腎臓,および網膜に症状(例,症候性の冠動脈硬化症,心不全,高血圧性脳症,腎不全)が生じると,高血圧緊急症と呼ばれる。

網膜の変化には細動脈の狭小化,出血,滲出性病変などがあり,脳症患者では乳頭浮腫がみられる(高血圧性網膜症)。変化は以下の4群に分類され(Keith-Wagener-Barker分類に基づく),後者ほど予後不良である(1):

  • 1度:細動脈の収縮のみ

  • 2度:細動脈の収縮および硬化

  • 3度:血管の変化に加えて出血および滲出性病変

  • 4度:乳頭浮腫

症状と徴候に関する参考文献

  1. 1.Matsuoka S, Kaneko H, Okada A, et al.Association of retinal atherosclerosis assessed using Keith-Wagener-Barker system with incident heart failure and other atherosclerotic cardiovascular disease: Analysis of 319,501 individuals from the general population. Atherosclerosis 2022;348:68-74.doi:10.1016/j.atherosclerosis.2022.02.024

高血圧の診断

  • 複数回の血圧測定

  • 原因および合併症を診断するための検査

高血圧は血圧測定により診断される。病歴,身体診察,その他の検査が,病因を同定し,標的臓器の損傷の有無を判断する上で役立つ。

血圧に固有の変動性のため,高血圧を確定するには複数回の血圧測定が必要である。血圧は典型的には時間帯によって変動し,古典的な日内変動では,日中(特に朝)に高くなり,夜間には低くなる。

血圧測定

正式な診断に用いる血圧値は,以下の条件下で異なる時点において診察室で測定した2つまたは3つの測定値の平均値とするべきである:

  • 足を床に着け,背中が支えられた状態で5分以上にわたり(診察台ではなく)椅子に座らせる

  • 上肢が心臓の高さで支えられ,カフを巻く部分が衣服で覆われていない

  • 少なくとも30分間は運動,カフェイン摂取,および喫煙を控えている

最初の来院時には両腕で血圧を測定し,その後の測定では,より高い測定値が出た方の腕で測定すべきである。

適切なサイズの血圧カフを上腕に巻く。適切なカフのサイズは,二頭筋の3分の2を覆う大きさであり,ゴム嚢は上腕周囲長の80%以上を覆える長さがあり,上腕周長の40%以上の幅をもつものを使用する。そのため,肥満患者には通常,より大きなカフが必要になる。予想される収縮期血圧を超えるまでカフを膨らませ,上腕動脈上に聴診器を当てて聴診しながらゆっくりと空気を抜いていく。圧力が低下する過程で最初に心拍を聴取できた時点の圧力が収縮期血圧となる。そして,音が完全に消失した時点での圧力が拡張期血圧である。同じ原則に従い,前腕(橈骨動脈)および大腿部(膝窩動脈)でも血圧を測定する。機械的な測定器具には定期的に較正を行うべきである。全自動のオシロメトリック式血圧計を用いれば,正確な血圧測定が可能になり,ヒューマンエラーが減少する可能性がある(1)。

血圧に15mmHgを上回る左右差がある場合は,より上位の血管構造の評価が必要になるため,血圧は両腕で測定する

大動脈縮窄症を除外するには(特に大腿動脈拍動の減弱や遅延がみられる場合)大腿部で血圧を測定する(非常に大きなカフを使用する);縮窄があれば,下肢の血圧が上肢より有意に低くなる。

変動する測定値と高血圧

白衣高血圧とは,無治療の患者において,診察室で測定した血圧が高値となるが,診察室外での測定値に基づくと高血圧の基準を満たさない場合と定義される。一般集団での有病率は約10~20%であり,小児,高齢者,女性のほか,診察室での血圧が診断閾値に近い患者で多くみられる。

白衣効果とは,高血圧の治療を受けている患者において,血圧の測定値が診察室では高値となるが診察室以外では正常となる場合を指す。

白衣高血圧の患者の治療成績については,相反するデータが得られている。無治療の白衣高血圧には,正常血圧と比較して,心血管系の有害な転帰と関連があるようである。白衣高血圧の患者が7~10年後に持続性高血圧を発症するリスクは,正常血圧の集団と比較して3~4倍高い(2)。白衣効果には心血管系の有害な転帰との関連はないようである。

仮面高血圧は,無治療の人において,診察室外で血圧を測定すると一貫して高値となるが,診察室で測定すると高血圧の基準を満たさない場合と定義される。この患者集団は成人人口の10~30%を占めている可能性があり,男性,非ヒスパニック系黒人,および糖尿病患者でより多くみられる(3)。

仮面高血圧およびコントロール不良の仮面高血圧(治療中の患者の場合)には,心血管リスク上昇との関連がみられ,死亡リスクは持続性高血圧の患者と同程度である(4)。

白衣高血圧または仮面高血圧が疑われる場合は,家庭または自由行動下血圧モニタリングの適応となる。

病歴

病歴には以下を含める:

社会歴には,運動量,喫煙,飲酒,および中枢刺激薬(薬剤と違法薬物を含む)の使用を含める。

食事歴では,食塩および刺激物(例,紅茶,コーヒー,カフェイン含有炭酸飲料,エナジードリンク)の摂取に焦点を置く。

身体診察

身体診察には身長,体重,ウエスト周囲長の測定,網膜症に対する眼底検査,頸部および腹部の血管雑音に対する聴診,ならびに徹底的な心臓診察,呼吸器診察,および神経学的診察を含める。腹部を触診して,腎腫大および腹部腫瘤がないか確認する。末梢動脈の拍動を評価し,大腿動脈の拍動が弱いか遅延している場合は,大動脈縮窄症が示唆される(特に30歳未満の患者)。腎血管性高血圧のやせている患者では,片側の腎動脈で雑音を聴取できることがある。

検査

血圧測定の結果に基づき高血圧と診断したら,以下を目的とする検査が必要である:

  • 標的臓器障害の検出

  • 心血管系危険因子の同定

高血圧が重症であるほど,また患者が若年であるほど,より広範な評価を行う。検査項目としては以下のものがある:

  • 尿検査および尿中アルブミン/クレアチニン比;異常がみられた場合は腎超音波検査を考慮する

  • 脂質検査,生化学検査(クレアチニンまたはシスタチンC,カリウム,およびカルシウムを含める),空腹時血漿血糖値

  • 心電図検査

  • ときに甲状腺刺激ホルモンの測定

  • ときに血漿遊離メタネフリンの測定(褐色細胞腫を検出するため)

  • ときに睡眠検査

診察および初期検査の結果に応じて,他の検査が必要になることもある。

尿検査でアルブミン尿(タンパク尿),円柱,または顕微鏡的血尿が検出された場合や,血清クレアチニンまたはシスタチンC値が高値となった場合は,腎臓の大きさを評価する腎超音波検査で有用な情報が得られることがある。

利尿薬の使用と無関係の低カリウム血症がある患者では,血漿アルドステロン値と血漿レニン活性を測定することで,塩分摂取量の高値や原発性アルドステロン症がないか評価する。原発性アルドステロン症の有病率は,以前に認識されていたよりも高く,治療抵抗性高血圧患者の約10~20%にみられる(5, 6)。

心電図では,幅広でノッチのあるP波が心房肥大を示唆し,特異的な所見ではないが,高血圧性心疾患の最も初期にみられる徴候の1つである。QRS電位の上昇が(場合により虚血の所見を伴って)遅れてみられることがあり,これは左室肥大を示唆する。心電図上で左室肥大の所見が認められる場合には,しばしば心エコー検査が行われる。

大動脈縮窄が疑われる場合は,心エコー検査,胸部CT,またはMRIにより診断を確定できる。

動揺性の有意な血圧高値を呈し,頭痛や動悸,頻拍,過度の発汗,振戦,蒼白などの症状がみられる患者には,血漿中遊離メタネフリンの測定による褐色細胞腫のスクリーニングと甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定による甲状腺機能亢進症のスクリーニングを行う。

病歴から睡眠時無呼吸症候群が示唆される患者では,睡眠検査を強く考慮すべきである。

クッシング症候群,全身性リウマチ性疾患,子癇急性ポルフィリン症甲状腺機能亢進症粘液水腫先端巨大症,または中枢神経系疾患を示唆する症状がみられる患者にはさらなる評価も必要となる。

診断に関する参考文献

  1. 1.Muntner P, Shimbo D, Carey RM, et al: Measurement of blood pressure in humans: A scientific statement from the American Heart Association.Hypertension 73:e35–e66, 2019.

  2. 2.Cohen JB, Lotito MJ, Trivedi UK, Denker MG, Cohen DL, Townsend RR: Cardiovascular events and mortality in white coat hypertension: A systematic review and meta-analysis. Ann Intern Med 170(12):853–862, 2019.doi:10.7326/M19-0223

  3. 3.Wang YC, Shimbo D, Muntner P, Moran AE, Krakoff LR, Schwartz JE: Prevalence of masked hypertension among US adults with nonelevated clinic blood pressure. Am J Epidemiol 185(3):194–202, 2017.doi:10.1093/aje/kww237

  4. 4.Pierdomenico SD, Pierdomenico AM, Coccina F, et al: Prognostic value of masked uncontrolled hypertension. Hypertension 72(4):862–869, 2018.doi:10.1161/HYPERTENSIONAHA.118.11499

  5. 5.Burrello J, Monticone S, Losano I, et al: Prevalence of Hypokalemia and Primary Aldosteronism in 5100 Patients Referred to a Tertiary Hypertension Unit. Hypertension 2020;75(4):1025-1033.doi:10.1161/HYPERTENSIONAHA.119.14063

  6. 6.Mulatero P, Stowasser M, Loh KC, et al: Increased diagnosis of primary aldosteronism, including surgically correctable forms, in centers from five continents. J Clin Endocrinol Metab 2004;89(3):1045-1050.doi:10.1210/jc.2003-031337

高血圧の治療

  • 減量および運動

  • 禁煙

  • 十分な睡眠時間(少なくとも6時間)

  • 食事:果物と野菜を増やし,食塩を減らし,アルコールを制限する

  • 薬剤:血圧と心血管疾患または危険因子の有無に依存する

本態性高血圧が治癒することはないが,二次性高血圧の原因の中には是正可能なものが存在する。全例において,血圧をコントロールすることで,望ましくない結果の多くを回避することができる。

腎疾患または糖尿病を有する患者も含めた大半の患者における目標血圧は,以下の通りである:

  • 血圧 < 130/80mmHg

血圧を130/80mmHg未満に下げれば,血管合併症のリスクが低下し続けると考えられる。たとえ高齢患者(フレイルの高齢患者を含む)でも,60~65mmHg程度の低い拡張期血圧に十分に耐えることができ,心血管イベントが増加することもない(1, 2)。しかしながら,収縮期血圧をさらに下げることは,薬剤の有害作用のリスクを高めることにもなる。そのため,収縮期血圧を120mmHg付近まで低下させることの便益を,めまいやふらつきのリスク増加および腎機能低下の可能性と比較して検討すべきである。これは糖尿病患者で特に懸念され,その場合は収縮期血圧が120mmHg未満であるか拡張期血圧が60mmHgに近づくと,これらの有害事象のリスクが高まる(3)。

理想的には,血圧測定について患者または家族を指導するとともに,定期的に血圧計の較正を行うことを前提として,自宅で患者または家族に血圧測定を行わせるのがよい。

生活習慣の改善

正常高値またはあらゆるステージの高血圧の患者全員に生活習慣の改善が推奨される(4)。高血圧の予防および治療効果が証明されている最善の非薬物療法として以下のものがある:

  • 運動の増量(理想的には体系的な運動プログラムによる)

  • 必要であれば,減量

  • 果物,野菜,全粒穀物や飽和および総脂肪量を減らした低脂肪乳製品を多く含む健康的な食事

  • 食事中のナトリウムを減量し,1500mg/日(ナトリウム3.75g)未満までとするのが最適であるが,少なくとも1000mg/日の減量を行う

  • 慢性腎臓病またはカリウム排泄量を減少させる薬剤の使用による禁忌がない限り,食事からのカリウム摂取量の増量

  • 飲酒の習慣がある人では,男性では1日2ドリンク以下,女性では1日1ドリンク以下への節酒(1ドリンクはビール約350mL,ワイン約150mL,または蒸留酒約45mL)【訳注:1ドリンクはエタノール量14g】

  • 禁煙

十分な睡眠時間(少なくとも6時間)の確保も推奨される。睡眠時間が短いこと(典型的には成人で5~6時間未満と定義される)に高血圧との関連が報告されている(5)。例えば,睡眠の質と時間(6時間以上)を最適化することで慢性腎臓病患者の血圧コントロールが改善することが複数の研究で示唆されている(6)。

食習慣の改善は,糖尿病,肥満,および脂質異常症のコントロールにも有用となりうる。合併症のない高血圧患者では,血圧がコントロールされている限り,活動を制限する必要はない。

薬剤

高血圧に対する薬剤も参照のこと。)

薬剤による治療を行うかどうかの判断は,血圧値と動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)またはその危険因子の有無(の表を参照)に基づく。糖尿病または腎疾患の存在は,ASCVDリスク評価に含まれるため,個別には検討しない。

継続的な再評価が管理の重要な要素である。目標血圧を達成していない場合は,薬剤を変更または追加する前に,現行のレジメンに対するアドヒアランスを最適化するよう努力すべきである。

一部の降圧薬は胎児に害を及ぼす可能性があるため,妊娠中の高血圧の治療には慎重な薬剤選択が必要である。

表&コラム
表&コラム

薬剤の選択は,併存症,禁忌,および忍容性を含むいくつかの因子に基づく。大半の患者では,初期治療として単剤療法の薬剤を選択する場合,以下の薬剤クラスのいずれかから選択することができる:

  • アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬

  • アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)

  • ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬

  • サイアザイド系利尿薬(クロルタリドンやインダパミドなどのサイアザイド系類似利尿薬が望ましい)

さらに,カルシウム拮抗薬とサイアザイド系利尿薬が低レニン性で塩分感受性の高血圧患者にはより効果的であるため,単剤療法の適応があるアフリカ系の患者には,どちらかの種類の薬剤を最初に使用すべきと推奨する専門家もいる(7, 8, 9, 10)。しかしながら,血圧反応には人種内でも大きなばらつきがあり(11),こうした人種に基づくアプローチが採用されても,高血圧のコントロールと血圧コントロールにおける人種差は改善されていないことがデータから示唆されている(12)。そのため,治療法の選択には人種に基づくアプローチより,個別化したアプローチを好む専門家もいる。

高血圧の治療はしばしば経過の後期に開始されるため,大半の患者で2剤以上の薬剤が必要となる。降圧薬2剤による多剤併用療法を選択する場合の選択肢としては,ACE阻害薬またはARBのいずれかと利尿薬またはカルシウム拮抗薬のいずれかの併用がある。多くの組合せが配合剤として利用可能であり,これにより患者のアドヒアランスを改善できる可能性がある(13, 14)。

高血圧緊急症の徴候がみられる場合は,降圧薬の静注による緊急降圧が必要である。そのような徴候としては,痙攣発作または局所神経症状,網膜出血,胸痛,呼吸困難,悪心・嘔吐などがある。

降圧薬の中には,特定の疾患で使用を控えるべきもの(例,重度の大動脈弁狭窄症に対するACE阻害薬)もあれば,特定の疾患に対して望ましいもの(例,狭心症患者に対するカルシウム拮抗薬,タンパク尿を呈する糖尿病患者に対するACE阻害薬またはARB)もある(およびの各表を参照)。

1カ月で目標血圧が達成されない場合は,アドヒアランスと忍容性を評価し,治療遵守の重要性を強調する。レジメンに対する患者のアドヒアランスが良好な場合は,最初の薬剤を増量するか,2剤目を追加することができる(初期治療用に推奨される薬剤から選択する)。ACE阻害薬とARBは併用してはならない。用量は漸増することが多い。2剤併用でも目標血圧を達成できない場合は,最初の薬剤の選択肢から3剤目を追加する。3剤目に耐えられない患者や3剤目の禁忌がある患者には,他のクラス(例,アルドステロン拮抗薬)の薬剤を使用することができる。このように血圧コントロールが困難な患者には,高血圧専門医へのコンサルテーションが有益となりうる。

表&コラム
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初診時の収縮期血圧が160mmHgを超える場合は,心血管疾患のリスクに関係なく,最初から2剤を使用すべきである。適切な組合せおよび用量を決定する。治療抵抗性(3つの降圧薬を使用しても血圧が目標値を上回る)高血圧には,一般的に4つ以上の薬剤が必要となる。

十分な血圧コントロールを達成するには,しばしば薬物療法の評価および変更が何度か必要になる。血圧コントロールのための増量や薬剤の追加に対するためらいは克服しなければならない。アドヒアランス不良は,特に生涯にわたる治療が必要であることから,十分な血圧コントロールの妨げとなりうる。治療の成功には,共感と支援を伴う患者教育が不可欠である。

表&コラム
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機器および物理的介入

経皮的カテーテル高周波機器を用いた腎動脈の交感神経アブレーションは実験的な治療と考えるべきであり,経験豊富な施設でのみ用いられるべきである。欧州およびオーストラリアでは,このような機器が治療抵抗性高血圧に対して使用されている。異なる複数の患者集団(例,無治療の高血圧患者[15],治療中の高血圧患者[16],治療抵抗性の高血圧患者[17])を対象とした企業主導のいくつかのシャム対照研究では,収縮期血圧の統計学的または臨床的に有意な低下が示されている。しかしながら,それらの機器が主要心血管イベントを減少させるかどうかは依然として不明である。

治療抵抗性高血圧の管理には,圧反射活性化療法が提唱されているが,それらの機器の使用を推奨できるだけのエビデンスは得られていない(4)。この治療法では,頸動脈小体周囲に外科的に埋め込んだ電池式の機器を用いて,圧受容器を刺激し,用量依存的に血圧を低下させる。比較的初期のピボタル試験に組み入れられた治療抵抗性高血圧患者を対象としたある長期追跡研究では,圧反射活性化療法による診察室血圧を持続的に低下させる効力は維持され,重大な安全性の問題はみられなかった(18)。

治療抵抗性高血圧

治療抵抗性高血圧は,薬剤クラスの異なる3つの降圧薬(利尿薬を含む)を適切な用量で遵守しているにもかかわらず,かつ白衣効果を除外した上で,血圧が目標値までコントロールされない場合と定義される。血圧コントロールに4剤を必要とする場合も,コントロールされた治療抵抗性高血圧とみなされる。目標血圧を達成する上で,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の使用が有益となることもある(19)。

治療抵抗性高血圧の評価の一環として,高血圧の二次的な原因を除外しなければならない。治療抵抗性高血圧症例の15~20%で,アルドステロン症または無症候性の高コルチゾール血症が同定されている。

治療に関する参考文献

  1. 1.Williamson JD, Supiano MA, Applegate WB, et al.Intensive vs Standard Blood Pressure Control and Cardiovascular Disease Outcomes in Adults Aged 75 Years: A Randomized Clinical Trial. JAMA 315(24):2673-2682, 2016.doi:10.1001/jama.2016.7050

  2. 2.White WB, Wakefield DB, Moscufo N, et al.Effects of Intensive Versus Standard Ambulatory Blood Pressure Control on Cerebrovascular Outcomes in Older People (INFINITY). Circulation 140(20):1626-1635, 2019.doi:10.1161/CIRCULATIONAHA.119.041603

  3. 3.Gomadam P, Shah A, Qureshi W, et al.Blood pressure indices and cardiovascular disease mortality in persons with or without diabetes mellitus. J Hypertens 36(1):85-92, 2018.doi:10.1097/HJH.0000000000001509

  4. 4.Table 15.Nonpharmacological Interventions.In: Whelton PK, Carey RM, Aronow WS, et al: 2017 ACC/AHA/AAPA/ABC/ACPM/AGS/APhA/ASH/ASPC/NMA/PCNA Guideline for the Prevention, Detection, Evaluation, and Management of High Blood Pressure in Adults: A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Clinical Practice Guidelines.Hypertension 71(6):e13–e115, 2018. doi: 10.1161/HYP.0000000000000065

  5. 5.Thomas SJ, Calhoun D.Sleep, insomnia, and hypertension: current findings and future directions. J Am Soc Hypertens 11(2):122-129, 2017.doi:10.1016/j.jash.2016.11.008

  6. 6.Ali W, Gao G, Bakris GL.Improved Sleep Quality Improves Blood Pressure Control among Patients with Chronic Kidney Disease: A Pilot Study. Am J Nephrol 51(3):249-254, 2020.doi:10.1159/000505895

  7. 7.Materson BJ, Reda DJ, Cushman WC, et al.Single-drug therapy for hypertension in men.A comparison of six antihypertensive agents with placebo.The Department of Veterans Affairs Cooperative Study Group on Antihypertensive Agents [published correction appears in N Engl J Med 1994 Jun 9;330(23):1689]. N Engl J Med 1993;328(13):914-921.doi:10.1056/NEJM199304013281303

  8. 8.Yamal JM, Oparil S, Davis BR, et al.Stroke outcomes among participants randomized to chlorthalidone, amlodipine or lisinopril in ALLHAT. J Am Soc Hypertens 2014;8(11):808-819.doi:10.1016/j.jash.2014.08.003

  9. 9.Wright JT Jr, Harris-Haywood S, Pressel S, et al.Clinical outcomes by race in hypertensive patients with and without the metabolic syndrome: Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial (ALLHAT). Arch Intern Med 2008;168(2):207-217.doi:10.1001/archinternmed.2007.66

  10. 10.Hall WD, Reed JW, Flack JM, Yunis C, Preisser J.Comparison of the efficacy of dihydropyridine calcium channel blockers in African American patients with hypertension.ISHIB Investigators Group.International Society on Hypertension in Blacks.Arch Intern Med 158(18):2029-2034, 1998.doi: 10.1001/archinte.158.18.2029

  11. 11.Mokwe E, Ohmit SE, Nasser SA, et al.Determinants of blood pressure response to quinapril in black and white hypertensive patients: the Quinapril Titration Interval Management Evaluation trial. Hypertension 2004;43(6):1202-1207.doi:10.1161/01.HYP.0000127924.67353.86

  12. 12.Egan BM, Li J, Sutherland SE, Rakotz MK, Wozniak GD.Hypertension Control in the United States 2009 to 2018: Factors Underlying Falling Control Rates During 2015 to 2018 Across Age- and Race-Ethnicity Groups. Hypertension 78(3):578-587, 2021.doi:10.1161/HYPERTENSIONAHA.120.16418

  13. 13.Parati G, Kjeldsen S, Coca A, Cushman WC, Wang J.Adherence to Single-Pill Versus Free-Equivalent Combination Therapy in Hypertension: A Systematic Review and Meta-Analysis. Hypertension 77(2):692-705, 2021.doi:10.1161/HYPERTENSIONAHA.120.15781

  14. 14.Williams B, Mancia G, Spiering W, et al.2018 Practice Guidelines for the management of arterial hypertension of the European Society of Hypertension and the European Society of Cardiology: ESH/ESC Task Force for the Management of Arterial Hypertension [published correction appears in J Hypertens 2019 Feb;37(2):456]. J Hypertens 8;36(12):2284-2309, 2018.doi:10.1097/HJH.0000000000001961

  15. 15.Böhm M, Kario K, Kandzari DE, et al.Efficacy of catheter-based renal denervation in the absence of antihypertensive medications (SPYRAL HTN-OFF MED Pivotal): a multicentre, randomised, sham-controlled trial. Lancet 395(10234):1444-1451, 2020.doi:10.1016/S0140-6736(20)30554-7

  16. 16.Mahfoud F, Kandzari DE, Kario K, et al.Long-term efficacy and safety of renal denervation in the presence of antihypertensive drugs (SPYRAL HTN-ON MED): a randomised, sham-controlled trial. Lancet 399(10333):1401-1410, 2022.doi:10.1016/S0140-6736(22)00455-X

  17. 17.Bhatt DL, Vaduganathan M, Kandzari DE, et al.Long-term outcomes after catheter-based renal artery denervation for resistant hypertension: final follow-up of the randomised SYMPLICITY HTN-3 Trial. Lancet 400(10361):1405-1416, 2022.doi:10.1016/S0140-6736(22)01787-1

  18. 18.de Leeuw PW, Bisognano JD, Bakris GL, Nadim MK, Haller H, Kroon AA, DEBuT-T and Rheos Trial Investigators.Sustained reduction of blood pressure with baroreceptor activation therapy: Results of the 6-year open follow-up.Hypertension 69:836–843, 2017.

  19. 19.Carey RM, Calhoun DA, Bakris GL, et al.Resistant hypertension: Detection, evaluation, and management: A Scientific Statement From the American Heart Association.Hypertension 72:e53–e90, 2018.doi: 10.1161/HYP.0000000000000084

高血圧の予後

血圧が高くなるほど,また網膜の変化や他の標的臓器障害の所見が重度であるほど,予後不良となる。収縮期血圧は拡張期血圧より,致死的または非致死的な心血管イベントをより的確に予測する(1, 2)。高血圧を効果的にコントロールできれば,大半の合併症を予防でき,延命につながる。

無治療の場合,網膜硬化,綿花様白斑,細動脈の狭小化,および出血がみられる患者(3度網膜症)の1年生存率は10%未満であり,以上の変化に加えて乳頭浮腫がみられる患者(4度網膜症)では5%未満である(3)。

治療を受けている患者で最も頻度の高い死因は冠動脈疾患である。虚血性または出血性脳卒中は,治療が不十分な高血圧でよくみられる合併症である。

予後に関する参考文献

  1. 1.Bourdillon MT, Song RJ, Musa Yola I, Xanthakis V, Vasan RS.Prevalence, Predictors, Progression, and Prognosis of Hypertension Subtypes in the Framingham Heart Study. J Am Heart Assoc 11(6):e024202, 2022.doi:10.1161/JAHA.121.024202

  2. 2.Kannel WB, Gordon T, Schwartz MJ.Systolic versus diastolic blood pressure and risk of coronary heart disease.The Framingham study. Am J Cardiol 27(4):335-346, 1971.doi:10.1016/0002-9149(71)90428-0

  3. 3.Dziedziak J, Zaleska-Żmijewska A, Szaflik JP, Cudnoch-Jędrzejewska A.Impact of Arterial Hypertension on the Eye: A Review of the Pathogenesis, Diagnostic Methods, and Treatment of Hypertensive Retinopathy. Med Sci Monit 28:e935135, 2022.doi:10.12659/MSM.935135

要点

  • 米国の高血圧患者のうち治療を受けているのは全体の約50%に過ぎず,そのうち十分に血圧がコントロールされている患者は約4分の1である。

  • 高血圧の大半は本態性で,別の疾患(例,原発性アルドステロン症,腎実質性疾患)により発生する二次性高血圧は5~15%のみである。

  • 重症または長期の高血圧は心血管系,脳,および腎臓に損傷を与え,心筋梗塞,脳卒中,および慢性腎臓病のリスクを高める。

  • 高血圧は通常,標的臓器で合併症が発生するまで無症状である。

  • 新たに高血圧と診断した場合は,尿検査,随時尿でのアルブミン/クレアチニン比の算出,血液検査(クレアチニン,カリウム,ナトリウム,カルシウム,空腹時血漿血糖,脂質プロファイル,しばしば甲状腺刺激ホルモン),および心電図検査を行う。

  • 腎疾患または糖尿病を有する患者も含めて,血圧を130/80mmHg未満まで低下させる。より低い血圧で症状が現れるフレイルの高齢患者には,より高い目標値が適切である可能性がある。

  • 治療としては,生活習慣の改善,特に低ナトリウム高カリウム食,薬物療法(サイアザイド系利尿薬,アンジオテンシン変換酵素阻害薬,アンジオテンシンII受容体拮抗薬,ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬など)のほか,高血圧の二次性の原因があればその管理を行う。

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