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出生時点で単一または一群の筋に欠損または不完全な発育がみられることがある。
(頭蓋顔面部および筋骨格系の先天異常に関する序論も参照のこと。)
筋肉の異常は単独または症候群の一部として生じる。
大胸筋の部分的または完全な無発生はよくみられ,単独で発生することもあれば,ポーランド症候群のように同側の手の異常と様々な程度の乳房および乳頭の無形成を伴うこともある。ポーランド症候群はメビウス症候群(下位脳神経,特に第6,第7,第12神経の麻痺であり,自閉症とつながりがある)と関連があるようである。
ポーランド症候群
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右側胸部の筋肉が未発達である。
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プルーンベリー症候群では,腹壁筋層が1層以上にわたって欠損し,しばしば重度の泌尿生殖器形成異常,特に水腎症を併発する。発生率は男性の方が高く,しばしば両側性の停留精巣を合併する。さらに足および直腸の形成異常を併発することも多い。早期に尿路閉塞が軽快する場合でも,予後を警戒しておく必要がある。
プルーンベリー症候群
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この写真には,腹壁に特徴的な皺がみられるプルーンベリー症候群の患者が写っている。中心には尿膜管開存も認められる。
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筋骨格系の先天異常がある患者の評価では,染色体マイクロアレイ解析,特異的遺伝子検査,または広範な遺伝子パネル検査を考慮すべきである。これらの検査で診断に至らない場合には,全エクソーム配列決定が推奨される。
筋肉の異常の治療法は重症度によって異なり,最小限の介入で済む場合から,再建術を要する場合まである。
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