男性型多毛症の主な原因と特徴

男性型多毛症の主な原因と特徴

原因

一般的な特徴*

検査

副腎の病気

副腎過形成(副腎が大きくなって異常に大量の男性ホルモンが分泌されるようになる病態)

声の低音化、頭髪の脱毛、陰核の肥大、筋肉量の増加、月経不順または無月経、およびにきびの発生(どれも男性化の徴候)

出生時に副腎過形成がみられる場合は、外性器が男性か女性かはっきりしない(性別不明性器)

ホルモン濃度を測定する血液検査およびときに尿検査

デキサメタゾン抑制試験(デキサメタゾンを内服して数時間後に血液検査でホルモン濃度を測定する)

副腎腫瘍(通常はがん)

副腎腫瘍が過剰なアンドロゲン(テストステロンなど)を分泌している場合や、クッシング症候群(過剰なコルチゾールを分泌する副腎腫瘍[以下参照])がある場合は、男性化の徴候

MRIまたはCT検査

ホルモン濃度を測定する血液検査および尿検査

クッシング症候群

体幹全体の過剰な脂肪、肩の間への脂肪沈着(野牛肩)、細い腕と脚、腹部の紫色の筋(赤色皮膚線条)、あざができやすい、顔が大きく丸くなる(満月様顔貌)、高血圧糖尿病にきび無月経または月経不順

尿検査および通常は血液検査によるコルチゾール濃度の測定(クッシング症候群では高くなることがある)

通常はデキサメタゾン抑制試験

何の病気もみられない

家族性男性型多毛症

家族の男性型多毛症

ほかに症状がみられない(月経周期が正常で、ほかに男性化の徴候がない)

医師の診察

ホルモン濃度を測定する血液検査(正常値を示す)

卵巣の病気

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

思春期以降に始まる男性型多毛症

肥満、不妊症、月経不順、にきび、頭髪の脱毛、インスリンへの感受性の低下、わきの下、うなじ、皮膚が重なり合う部分の色が濃くなり厚みが増す(黒色表皮腫)

医師の診察

テストステロン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモンなどのホルモン濃度を測定する血液検査

通常は超音波検査

腫瘍

ときに以下の症状(しばしば突然始まる)。

  • 骨盤痛

  • 腹部の腫れまたは膨満

  • 体重減少

  • 男性化の徴候

超音波検査

ときにCTまたはMRI検査

下垂体の病気

プロラクチンを分泌する下垂体腺腫(良性腫瘍)

授乳中ではない女性での母乳の分泌(乳汁漏出症

月経不順または無月経

ときに視力障害、頭痛

プロラクチン濃度を測定する血液検査

脳のMRI検査

クッシング病を引き起こす下垂体の病気(下垂体腫瘍など)

上述のクッシング症候群を参照

コルチゾール濃度(高くなることがある)を測定する血液検査およびときに尿検査

デキサメタゾン抑制試験

脳のMRI検査

薬剤および薬物

アンドロゲン薬:

  • テストステロン製剤やダナゾールなどの運動能力を高めるために服用するものを含むタンパク質同化ステロイド

  • 高用量のプロゲステロンを含有する経口避妊薬やその他の避妊薬

男性化の徴候

タンパク質同化ステロイドの使用(使用していても認めない場合もある)

医師の診察

* 特徴としては症状や診察結果を示しています。示されている特徴は典型的なものですが、常に認められるわけではありません。

CT = コンピュータ断層撮影、MRI = 磁気共鳴画像。

* 特徴としては症状や診察結果を示しています。示されている特徴は典型的なものですが、常に認められるわけではありません。

CT = コンピュータ断層撮影、MRI = 磁気共鳴画像。

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