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グルコサミン

執筆者:Laura Shane-McWhorter, PharmD, University of Utah College of Pharmacy
レビュー/改訂 修正済み 2024年 3月
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グルコサミンはカニ、カキ、エビの殻に存在する物質(キチン)から抽出されます。グルコサミンは、通常はグルコサミン硫酸塩として外用のクリームや軟膏を塗布するか、錠剤やカプセルの形で摂取することができますが、グルコサミン塩酸塩として摂取されることもあります。グルコサミンはしばしばコンドロイチン硫酸とともに摂取されます。

サプリメントの概要も参照のこと。)

グルコサミンの効能

グルコサミンは多くの場合、膝の変形性関節症の治療を目的として摂取されます。膝以外の変形性関節症の治療の効果は、それほどよく分かっていません。

グルコサミンに関する証拠

証拠が矛盾しており、鎮痛作用と疾患の進行を抑制する作用の両方を示唆する証拠があるものの、適切な試験デザインによる大規模試験ではこうした有益性が認められていません。大規模な1件の試験により、グルコサミン塩酸塩はコンドロイチン硫酸と併用した場合に有益であることが示されています。特定の製造元であるRotta Research Laboratoriumは軽度から中等度の変形性膝関節症に対して硫酸グルコサミンを6カ月以上使用し、この使用を裏付ける証拠を示しています。重度の変形性膝関節症や他の部位の変形性関節症に対するグルコサミンの有益性はあまり明らかではありません。

グルコサミンの副作用

グルコサミンは多くの場合、安全です。よく起こる副作用はかゆみのほか、胸やけや下痢、嘔吐、吐き気などの軽度の消化器系の不調です。その他の副作用には疲労、頭痛、睡眠障害、日光過敏症、爪の変化などがあります。肝疾患の人は、可能であればグルコサミンの摂取を避けるべきです。甲殻類アレルギーの人では、甲殻類から抽出したグルコサミンを摂取すると、アレルギー反応が起こることがあります。喘息の患者で急性憎悪が起こった人もいます。

グルコサミンとの薬物相互作用

世界保健機関(WHO)に提出された症例報告および情報によると、高用量のグルコサミンはワルファリンと相互作用を起こし、皮下出血や出血につながる可能性があります。ほかに重要な薬物相互作用は知られていません。

グルコサミンに関する推奨事項

一般に、グルコサミンは安全と考えられていますが、その便益の科学的根拠は限られています。膝の変形性関節症を有する人は、治療計画にグルコサミン(通常はコンドロイチン硫酸と組み合わせる)を加えることについて主治医への相談を考慮してもよいでしょう。しかしながら、変形性関節症治療の専門医組織はその使用を支持していません。

ワルファリンを服用している人は、出血リスクのモニタリングについて主治医に相談するべきです。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

  1. 米国国立衛生研究所の国立補完統合衛生センター:変形性関節症に対するグルコサミンとコンドロイチン:知っておくべきこと(Glucosamine and Chondroitin for Osteoarthritis: What You Need To Know

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