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膀胱の損傷は、高速での交通事故や転落事故で生じるような、しばしば骨盤部の外傷に伴って発生します。まれに穿通性外傷(貫通する外傷で、銃弾によるものが多い)で膀胱が損傷する場合もあります。さらに、子宮摘出術、帝王切開、結腸切除術など、下腹部や骨盤内の手術中に偶発的に膀胱が傷つけられる場合もあります。
(尿路と性器の外傷の概要を参照のこと。)
合併症
膀胱外傷の症状
膀胱の損傷で最もよくみられる症状は、血尿、排尿困難、骨盤部や下腹部の痛み、排尿時の痛みです。膀胱の底部には排尿をコントロールする筋肉があり、そこが損傷すると、頻尿や尿失禁が起こることがあります。
膀胱外傷の診断
膀胱外傷の治療
カテーテルを挿入して膀胱から排尿する
ときに手術
膀胱の損傷が軽度で、挫傷か一部の小さな裂傷であれば、5~10日間にわたり尿道にカテーテルを挿入して治療することもあります。カテーテルから持続的に尿を排出させて膀胱が一杯にならないようにすることで、膀胱の治癒を促進します。
膀胱の損傷が広範囲に及んでいる場合や、損傷のため尿が腹腔内に漏れ出ている場合は、手術を行って損傷の程度を調べ、裂傷をすべて修復します。その後は、カテーテルを1本、またはまれに2本使用して尿を膀胱からより効果的に排出できるようになります。カテーテルは尿道から膀胱に挿入するか(尿道カテーテル)、下腹部の皮膚から膀胱に直接挿入します(恥骨上カテーテル)。これらのカテーテルは、7~10日後または膀胱が十分回復した後に抜き取ります。合併症が発生した場合は、その治療が必要になります。
手術中に膀胱の損傷が判明すれば、その時点で治療が行われます。
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