婦人科の診療では、性生活、避妊、妊娠、更年期に関する問題などのデリケートな事柄を扱うため、こうした内容について気兼ねなく相談できる専門家を選んでおくべきです。米国では、医師、助産師、ナースプラクティショナー、医師助手などが受診先となっています。
婦人科の評価には婦人科の病歴聴取および婦人科の診察が含まれます。
婦人科の問診では、医師は来院のきっかけとなった問題、過去と現在の月経、過去の妊娠、性行為、婦人科的症状、疾患、過去に受けた治療について尋ねられます。
月経についての質問には以下のものがあります。
月経が始まった(初経の)年齢
月経の頻度、規則性、持続期間
月経出血量
最後の月経の開始日と終了日
出血の異常(月経出血量の過多や過少、月経期以外の時期の出血など)があるかどうか
過去の妊娠についての質問には以下のものがあります。
過去の妊娠回数
過去の妊娠の時期
過去の妊娠の結果(出産、流産など)
合併症(出血、高血圧、吐き気、嘔吐など)があったかどうか
通常、性行為についての質問が行われ、婦人科領域の感染症や外傷のリスク、妊娠の可能性が評価されるとともに、性的に問題がないかが調べられます。避妊をしているか、避妊を希望するか、カウンセリングやその他の情報に関心があるかどうかも質問されます。医師は、セクシャルアイデンティティやジェンダーアイデンティティの問題について尋ね、青年期の女子や女性にそのような問題について話す機会を与えることがあります。
性交時や月経周期の中頃に痛みがあるかどうか(排卵に伴う痛みの可能性があります)、あるいはそれ以外のときに痛みが起こるかも尋ねられます。痛みがある場合はどのくらいひどい痛みか、何をすれば痛みが和らぐかについて質問されます。
乳房の痛み、しこり、圧痛や発赤、乳首からの分泌物などについても尋ねられます。また乳房の自己検診をしているかどうか、その頻度や乳房検診の方法について指導が必要かどうかも問われます。
医師は、過去の婦人科疾患の病歴を検討するとともに、通常は婦人科以外の一般の病歴や手術歴もチェックします。
多くの薬剤が婦人科的な機能に影響を及ぼすため、処方薬と市販の薬剤に加え、タバコ、飲酒も含めて、患者が服用している薬剤などはすべて検討されます。
精神的、身体的、性的な虐待についても、本人や家族が現在や過去に虐待を受けていないかどうか質問があります。