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耳硬化症

執筆者:Taha A. Jan, MD, Vanderbilt University Medical Center
レビュー/改訂 2024年 1月
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耳硬化症とは、耳の骨に異常な骨が形成されたり蓄積されたりする原因となる病態です。その異常な骨により、中耳から内耳への音の伝達が妨げられます。

耳硬化症で最も影響を受けやすい部位は、アブミ骨(鼓膜と内耳をつないでいる3つの骨のうちの1つ)の周囲です。その結果、アブミ骨が容易に動かせなくなり、進行性の難聴が生じます。

耳硬化症は家族内で遺伝する傾向があり、全症例の半数が遺伝によるものです。小児が耳硬化症を発症する確率は、片方の親が発症している場合は25%で、両親ともが発症している場合は50%です。

耳硬化症の症状

耳硬化症の患者のうち難聴が発生するのは約10%のみです。難聴は通常、青年期後期から成人期初期にかけて明らかになります。まれに、7歳または8歳までに難聴が発生します。

典型的には、耳硬化症は片耳に発生しますが、半数を超える患者で両耳に症状がみられます。最もよくみられる症状は難聴です。難聴は徐々に進行する場合があります。多くの人では、低い音やささやき声が聞き取りにくいことが耳硬化症の最初の徴候となります。耳硬化症の患者の一部では、耳鳴(耳鳴り)や、非常にまれですが、めまいも生じます。

耳硬化症の診断

耳硬化症の診断は通常、聴覚障害の専門医によって下されます。聴覚検査ティンパノメトリー検査など)は、医師が難聴の原因を特定し、ほかに必要な可能性がある検査を判断するのに役立ちます。ときに、CT検査が行われます。

耳硬化症の治療

通常、補聴器によって聞こえが改善しますが、手術を望む人もいます。アブミ骨摘出術を行って、アブミ骨の一部または全部を摘出して人工材料に置換することができます。しかし、この手術では、可能性のあるリスクとして難聴の悪化および平衡感覚の異常があります。

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