リンパ脈管筋腫症

執筆者:Joyce Lee, MD, MAS, University of Colorado School of Medicine
レビュー/改訂 2021年 6月
プロフェッショナル版を見る

リンパ脈管筋腫症(LAM)は、肺全体に平滑筋細胞がゆっくり増殖していく、まれな病気です。

間質性肺疾患の概要も参照のこと。)

リンパ脈管筋腫症(LAM)はまれです。女性にしか起こらず、通常20~40歳の女性に発生します。原因は不明です。

患者には通常、息切れがみられます。ときに、せき、胸痛、喀血(せきとともに血が出る)がみられることもあります。妊娠中に症状が悪化することがあります。この病気の最初の徴候として、明らかな理由なく肺が虚脱すること(気胸)がときにあります。肺を覆っている袋(胸膜)に液体がたまることもあります。

この病気はゆっくり進行する傾向がありますが、肺機能は低下し続け、最終的には呼吸不全に陥ります。進行速度は極めて多様ですが、妊娠中に加速することがあります。

リンパ脈管筋腫症の診断

  • 胸部CT検査

  • 血液検査

リンパ脈管筋腫症の診断には通常、胸部X線検査とCT検査が必要です。

血管内皮増殖因子D(VEGF-D)の値を測定する血液検査がしばしば行われます。通常、LAMの女性ではVEGF-D値が上昇します。

画像検査および血液検査で診断がつかない場合、医師は、肺の組織片を採取して顕微鏡で調べる検査(肺生検)を行うことがあります。

肺機能検査では、肺に吸い込める空気の量が、正常値を下回っていることが明らかになります。

リンパ脈管筋腫症の治療

  • シロリムス

  • 肺移植

シロリムスという薬剤は、通常、腎移植後に免疫系を抑制するために使用されますが、この薬剤はLAM患者における肺機能の低下を遅らせるようです。

肺移植により、病気が治癒します。しかし、移植された肺でもリンパ脈管筋腫症が再発することがあります。

さらなる情報

役立つ可能性がある英語の資料を以下に示します。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

  1. LAM財団(LAM Foundation):研究成果や支援プログラムなどを含む、リンパ脈管筋腫症に関する一般的な情報を提供しています。

quizzes_lightbulb_red
医学知識をチェックTake a Quiz!
ANDROID iOS
ANDROID iOS
ANDROID iOS