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リンパ性間質性肺炎は、成熟したリンパ球(白血球の一種)が肺胞(肺の空気の袋)に集積するまれな肺疾患です。
通常、せきや呼吸困難がみられます。
診断には、胸部X線検査、CT検査、肺機能検査が必要で、しばしば気管支鏡検査もしくは生検のいずれか、またはその両方を要することもあります。
治療には、コルチコステロイドもしくは免疫抑制薬、またはその両方が使用されます。
(特発性間質性肺炎の概要も参照のこと。)
リンパ性間質性肺炎を特発性間質性肺炎の一種とみなす専門家もいます。リンパ性間質性肺炎は小児に発生することがあり、通常はヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した小児にみられます。また、成人にも発生し、多くの場合、形質細胞疾患、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患の患者にみられます。この病気は女性や女児により多くみられます。成人における平均発症年齢は54歳です。
リンパ性間質性肺炎の症状
小児では、せき、運動能力の低下などの症状が現れ、成長が止まり、体重が増えなくなることもあります。成人では、呼吸困難やせきが数カ月、場合によっては数年続くこともあります。まれに、体重減少、発熱、関節痛、寝汗などの症状がみられます。
リンパ性間質性肺炎の診断
リンパ性間質性肺炎の治療
コルチコステロイドまたは細胞傷害性薬剤
予後は予測が困難です。この病気は、自然に消失したり、治療で回復することもあれば、肺線維症やリンパ腫(がんの一種)に進行することもあります。診断から5年間生存する患者の割合は2分の1~3分の2です。
治療にはコルチコステロイドもしくは細胞傷害性薬剤(アザチオプリンやシクロホスファミド)、またはその両方が使用されますが、これらの薬剤が有効かどうかは明らかになっていません。
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