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IgG4関連硬化性胆管炎は、原発性硬化性胆管炎に似た症状を引き起こす病気で、肝臓内外の胆管に炎症、線維化、および狭窄が生じて、最終的にはそれらの胆管が閉塞し、破壊されます。肝硬変や肝不全に至ることもあります。
(胆嚢と胆管の病気の概要も参照のこと。)
IgG4関連硬化性胆管炎は、原発性硬化性胆管炎(PSC)と似ていますが、免疫系の調節異常が胆管に影響を及ぼした結果(IgG4関連疾患)であるという点で異なる疾患です。(IgG4関連硬化性胆管炎という病名は、肝臓内外の胆管に漏れ出して炎症と線維化を引き起こすIgG4抗体に由来しています。)
このまれな病気は主に60代から70代の男性にみられます。大半の患者は自己免疫性膵炎と呼ばれる別の免疫疾患を併発しています。
IgG4関連硬化性胆管炎の症状
症状は原発性硬化性胆管炎や胆管がんのそれと似ることがあり、具体的には黄疸、体重減少、腹痛などがみられます。
IgG4関連硬化性胆管炎の診断
胆道造影検査
抗体検査(IgG4)
組織学的検査
膵炎と胆管障害(胆管の損傷)の両方がみられる場合、IgG4関連硬化性胆管炎が疑われます。IgG4関連硬化性胆管炎の診断には、胆道造影検査(胆道の画像検査)での異常所見、血中IgG4濃度の上昇(この病気がある大半の人でみられますが、すべての人にみられるわけではありません)、および生検(顕微鏡を用いて組織を観察する検査)での特徴的な細胞の外観が認められる必要があります。
IgG4関連硬化性胆管炎の治療
コルチコステロイド
IgG4関連硬化性胆管炎に対して選択すべき薬剤は、コルチコステロイド(通常はプレドニゾン[日本ではプレドニゾロン])です。
治療目標は完全寛解で、これはコルチコステロイドで達成できます。コルチコステロイド療法が無効に終わった場合は、リツキシマブが使用されます。
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