肝臓かんぞうがん

レビュー/改訂 2021年 6月
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肝臓かんぞうは、腹部ふくぶ右側みぎがわ肋骨ろっこつのすぐしたにある、アメフトボールくらいのおおきさをした臓器ぞうきです。べものの消化しょうかたすけたり、からだ機能きのうたすける物質ぶっしつをつくったりしています。

肝臓かんぞうがんとはどのような病気びょうきですか?

肝臓かんぞうがんには2種類しゅるいのものがあります:

  • 原発性げんぱつせい肝臓かんぞうがん:最初さいしょから肝臓かんぞうにできたがん

  • 転移性てんいせい肝臓かんぞうがん:べつ臓器ぞうきにできたがんが肝臓かんぞうひろがった(転移てんいした)もの

大人おとなきる原発性げんぱつせい肝臓かんぞうがんのうち、もっともよくある種類しゅるいつぎのものです:

  • 肝細胞かんさいぼうがん

これ以外いがい原発性げんぱつせい肝臓かんぞうがんは、まれです。

おおくのがんが肝臓かんぞうひろがる(転移てんいする)可能性かのうせいがあります。もっとおおいのは、結腸けっちょう乳房にゅうぼうはい膵臓すいぞうのがんです。転移性てんいせい肝臓かんぞうがんは、原発性げんぱつせい肝臓かんぞうがんよりもおおくみられます。

治療ちりょうをしないと、肝臓かんぞうがんがおおきくなってひろがり、肝臓かんぞう機能きのう正常せいじょうたもたれなくなります。ほかの臓器ぞうきから発生はっせいしたがんが、肝臓かんぞうひろがることがあり、その場合ばあい治療法ちりょうほうは、原発性げんぱつせい肝臓かんぞうがんの場合ばあいとちがいます。

肝臓かんぞう胆嚢たんのうのようす

肝臓かんぞうがんの原因げんいんなんですか?

つぎのことにてはまるひとは、肝臓かんぞうがんがきる可能性かのうせいがほかのひとよりたかいです。

  • BがたまたはCがた肝炎かんえんながあいだかかっている

  • ふだんからおさけみすぎている

  • 肝臓かんぞうなかにたくさんの脂肪しぼう瘢痕組織はんこんそしきがある

  • 糖尿病とうにょうびょうがある

  • からだなかにあるてつりょうおおすぎる

  • 特定とくていのカビや化学物質かがくぶっしつにさらされた

肝臓かんぞうがんにはどのような症状しょうじょうがありますか?

肝臓かんぞうがんは、最初さいしょのうちはなん症状しょうじょうこさないことがありますが、あとになってつぎのような症状しょうじょうてきます:

  • 体重たいじゅう

  • おなかがかない

  • 脱力感だつりょくかん疲労感ひろうかん

ほかにもつぎのような症状しょうじょうがあります:

  • 黄疸おうだん皮膚ひふしろ部分ぶぶん黄色きいろくなる)

  • おなかの不快感ふかいかん

  • おなかがふくらむ

  • 嘔吐おうと

ほかのおおくの病気びょうきでもおなじような症状しょうじょうがみられます。

医師いしはどのようにして、わたし肝臓かんぞうがんかどうかを判断はんだんしますか?

医師いしつぎのことをする場合ばあいがあります:

  • 血液検査けつえきけんさ

  • ちょう音波検査おんぱけんさCT検査けんさMRI検査けんさなど、腹部ふくぶ画像検査がぞうけんさ肝臓かんぞうなどからだなか臓器ぞうきこまかい画像がぞうをとる検査けんさ

  • 肝生検かんせいけんはり皮膚ひふから肝臓かんぞうなかまでさして、組織そしきすこしだけり、それを顕微鏡けんびきょう調しらべる検査けんさ

  • よりおおきく組織そしきって調しらべるための手術しゅじゅつ

医師いし肝臓かんぞうがんをどのように治療ちりょうしますか?

原発性げんぱつせい肝臓かんぞうがん

がんがはやいうちにつかった場合ばあいは、医師いし手術しゅじゅつでがんをのぞくことがあります。実際じっさいおこなわれることはとてもすくないですが、肝臓かんぞう全体ぜんたいして、ほかのひと健康けんこう肝臓かんぞうきかえる手術しゅじゅつ肝臓移植かんぞういしょく)をすることもあります。

原発性げんぱつせい肝臓かんぞうがんにたいするそのほかの治療法ちりょうほうには、つぎのものがあります:

  • くすり

  • プローブという機器きき皮膚ひふとおして腫瘍しゅようなかまでれて、腫瘍しゅようねつくわえたり、腫瘍しゅようこおらせたりする治療ちりょう

  • 腫瘍しゅようなかくすりやアルコールを注射ちゅうしゃする治療ちりょう

  • 腫瘍しゅようつよいXせんてる治療ちりょう放射線療法ほうしゃせんりょうほう

肝臓かんぞうがんは、おおきくなって、ほかの部分ぶぶんひろがったあとつかることがおおく、これらの治療法ちりょうほうでは効果こうかがないこともあります。そのような場合ばあいは、くすりやそのほかの治療法ちりょうほう使つかって、いたみなどの症状しょうじょうをやわらげます。

転移性てんいせい肝臓かんぞうがん

転移性てんいせい肝臓かんぞうがんには、がんをのぞ手術しゅじゅつをしても、ふつうたすけになりません。医師いしはおそらく化学療法かがくりょうほうすすめるでしょう。化学療法かがくりょうほうはふつう、くすり静脈じょうみゃくなかれる方法ほうほうおこないます。場合ばあいによっては、ながいチューブをあしにある動脈どうみゃくから肝臓かんぞうなかまでれることもあります。そうすることで、化学療法かがくりょうほうくすり腫瘍しゅようがあるところに正確せいかくおくりこむことができます。

肝臓かんぞうがんはどうすれば予防よぼうできますか?

原発性げんぱつせい肝臓かんぞうがんになる危険性きけんせいは、つぎ方法ほうほうらすことができます:

  • BがたおよびCがた肝炎かんえん検査けんさけて、治療ちりょうするためにくすり

  • さけをたくさんまないようにする

  • 体重たいじゅうをつける

BがたまたはC型肝炎がたかんえんがあるか、肝臓かんぞうにたくさんの瘢痕はんこん肝硬変かんこうへん)がある場合ばあいは、たとえ症状しょうじょうがなくても、医師いし肝臓かんぞうがんがないか調しらべるために血液検査けつえきけんさちょう音波検査おんぱけんさをすることがあります。

肝臓かんぞうがんについてのくわしい情報じょうほうは、どこでおしえてもらえますか?

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