結腸は大腸の一部です。直腸は、大腸が終わるところにある、袋のような形をした部分で、便を出すまで、ためておくところです。
大腸の位置
結腸がんとはどのような病気ですか？
がんは、細胞が体の中で際限なく増え続けていく病気です。細胞とは、体を作り上げている小さな部品のようなものです。細胞は、それぞれ決まった役割をはたしています。臓器は、それぞれちがう種類の細胞でできています。ほぼすべての種類の細胞が、がんになる可能性があります。
結腸がんは、結腸の内側の表面からできるがんです。直腸がんもよく似ています。これら2種類のがんは、あわせて大腸がんとよばれることがあります。
最もよくある症状は、便を出したときの出血と、疲れを感じたり、力が出なくなったりすることです。
45才以上の人は、全員が大腸がんのスクリーニングを受けるべきです。
大腸がんは、早く見つかるほど、完全に治る可能性が高くなります。
医師はふつう、手術をして、がんを取り除きます。
結腸がんの原因は何ですか？
結腸がんにはどのような症状がありますか？
結腸がんはゆっくりと大きくなり、長い間症状を引き起こしません。次のような症状があります：
力が入らず、疲れを感じる（症状がこれだけの人もいます）
腹部の痛み
便秘（便がなかなか出ない）
便に血が混じる
便を出しても、直腸の中に便が残っている感覚
ときに、がんによって結腸がふさがって、吐いたり、おなかがひどく痛くなったり、おなかが腫れたりするなど、腸閉塞の症状が現れることもあります。
医師はどのようにして、私が結腸がんかどうかを判断しますか？
医師があなたの症状を結腸がんによるものだと考えた場合、医師はふつう、次のことをします：
大腸内視鏡検査（下部消化管内視鏡検査ともいわれます）
大腸内視鏡検査でがんが見つかったら、医師はふつう、次のことをします：
医師はどのようにして結腸がんのスクリーニングをしますか？
結腸がんはとてもよくある病気ですので、医師たちは、症状が現れる前にがんを探し出すスクリーニングという検査をすすめています。結腸がんのスクリーニングは、ふつうは45才から受け始めますが、あなたにがんになりやすくなる要因がある場合は、それより早くから始めます。何才からスクリーニングを受け始めればいいかは、医師に相談してください。
スクリーニングの検査には次のものがあります：
便を調べて、目に見えない血液が含まれていないか確かめる検査
S状結腸鏡検査（体の中を見るためのやわらかい管を、医師があなたの肛門から腸の中に入れて、大腸の下の部分の様子を見ます）
大腸内視鏡検査（大腸の全体を見るために、小さなカメラとライトが付いた細い管をあなたの肛門から腸の中に入れて、S状結腸鏡検査では見られない部分まで腸全体を見わたします）
CTコロノグラフィー（よりはっきりした画像をとるために、あなたに特別な液体を飲んでもらい、結腸の中を空気で満たした後に、結腸の画像をとるCT検査）
医師は結腸がんをどのように治療しますか？
医師は次の方法で結腸がんを治療します：
結腸のがんになった部分を切り取り、残った部分の端同士をつなぐ手術
場合により、手術に続いて化学療法
人工肛門造設術について理解する
人工肛門造設術では、大腸（結腸）を切ります。結腸の残った部分を動かして、それを皮膚にあけた穴から皮膚の表面につなぎます。その部分を糸でぬって、皮膚からはなれないようにします。便はこの穴を通って、使い捨ての袋の中に入ります。 |
直腸がんの場合、医師は次のことをします：
直腸を切り取る必要がある場合は、ふつうは人工肛門造設術も必要になります。人工肛門造設術では、結腸の端を、腹部の壁にあけた穴とつなぎます。便はこの穴から出て、人工肛門バッグというビニールの袋に入ります。この袋は、ノリのようなもので腹部に固定し、バッグがいっぱいになったら交換します。
治療が終わった後も、医師はあなたへのケアを続けて、たとえば、次のような検査をして、定期的にあなたの健康状態を確かめます：
