深指屈筋腱断裂

(ジャージフィンガー;ラグビーフィンガー;セーターフィンガー)

執筆者:Paul L. Liebert, MD, Tomah Memorial Hospital, Tomah, WI
レビュー/改訂 2021年 10月
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深指屈筋腱断裂は一般に,末節骨の腱付着部に生じる。損傷した指は遠位指節間関節で能動的に屈曲できない。剥離骨折を除外するためにX線が必要である。治療は手術による。

この損傷は主にアメリカンフットボールやその他のコンタクトスポーツ(例,ラグビー)で生じる。環指が損傷することが最も多い(症例の75%)。

槌指も参照のこと。)

ジャージフィンガーの病因

手指の屈曲は深指屈筋と浅指屈筋によって制御される。深指屈筋は末節骨に停止し,遠位指節間(DIP)関節を屈曲させる。

深指屈筋腱断裂の通常の受傷機転は,アスリートが相手選手のジャージやシャツを掴んだとき,曲げた指が引っかかり,相手選手が突然遠ざかった際に強制的に伸展され,腱が断裂するというものである。

深指屈筋腱断裂により骨片が剥離することがある。

ジャージフィンガーの症状と徴候

受傷したアスリートは,遠位指節間(DIP)関節を能動的に屈曲できない。指先の手掌面の触診は痛みを伴う。患指はわずかに伸展している。 

ジャージフィンガーの診断

  • X線

末節骨の剥離骨折を除外するためにX線が必要である。罹患した遠位指節間(DIP)関節の自動屈曲運動を行わせる必要があり,そうしないと診断が見逃されやすい。

パール&ピットフォール

  • コンタクトスポーツのアスリートでDIP関節に原因不明の疼痛がみられる場合(特に安静位が伸展位である場合)は,DIP関節の自動屈曲を検査する。

ジャージフィンガーの治療

  • 手術

第1選択の治療は,手の専門医による外科的修復である。

要点

  • ジャージフィンガーは,アメリカンフットボールやラグビーなどのコンタクトスポーツで生じる。

  • 損傷の見逃しを避けるため,患指の遠位指節間(DIP)関節の自動屈曲を検査する。

  • 患者は外科的修復のために手の専門医に紹介する。

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