新生児高ビリルビン血症

(新生児の黄疸)

執筆者:Kevin C. Dysart, MD, Nemours/Alfred I. duPont Hospital for Children
Reviewed ByAlicia R. Pekarsky, MD, State University of New York Upstate Medical University, Upstate Golisano Children's Hospital
レビュー/改訂 2024年 12月 | 修正済み 2025年 2月
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高ビリルビン血症とは,血清ビリルビン濃度の上昇であり,これにより黄疸が生じる(皮膚および眼球が黄色く変色する)。黄疸を引き起こすのに必要な血清ビリルビン値は,皮膚の色調および体の部位によって異なる。ビリルビン値が上昇するにつれ,外見上,頭から足の方へ黄疸が進行する。新生児全例の半数強に,生後1週間以内に黄疸が認められる。

出生直後の高ビリルビン血症はほぼ全例が非抱合型ビリルビン(間接ビリルビンとも呼ばれる)によるものである;抱合型ビリルビンは直接ビリルビンと呼ばれる。新生児期の胆汁うっ滞およびビリルビン排泄障害の詳細については,新生児の胆汁うっ滞を参照のこと。

高ビリルビン血症の影響

高ビリルビン血症は,その原因と上昇の程度に応じて,無害のこともあれば,有害となることもある。黄疸を引き起こす病態には,ビリルビン値に関係なく本質的に危険性であるものがある。一方で,いかなる病因による高ビリルビン血症であれ,血中濃度が一定の閾値に達した時点で懸念の対象となる。懸念および治療の対象となる閾値は,以下に応じて異なる:

  • 出生後の時間数

  • 未熟性の程度

  • 健康状態

治療の指針とするために,在胎期間と神経毒性の危険因子に基づいて光線療法を始めるか否かを決定するための管理閾値が提案されている(1)。早産児在胎不当過小児(SGA児),および/または病的状態(例,敗血症低体温症,または低酸素症)にある新生児では,よりリスクが高く,ビリルビン値がより低くても介入の適応となることがある。そのような新生児では,高ビリルビン血症の程度に伴ってリスクも上昇するとはいえ,ビリルビンの濃度はいかなる値でも安全とはみなせない;出生後日齢および臨床上の因子に基づいて治療を施す。

神経毒性は,新生児高ビリルビン血症による重大かつ望ましくない病態である。急性脳症の後に脳性麻痺や感覚運動障害などの様々な神経学的異常を伴うことがあるが,認知機能は通常温存される。以前は核黄疸として知られていたビリルビン脳症(CBE)は,神経毒性の中で最も重度のものである。現在CBEはまれであるものの,なお発生がみられ,ほぼ必ず予防できる。CBEとは,大脳基底核および脳幹核への非抱合型ビリルビンの沈着による脳の損傷のことであり,急性または慢性の高ビリルビン血症によって起こる。正常では,血清アルブミンと結合しているビリルビンは血管内腔に保たれる。しかし,非抱合型ビリルビンは血液脳関門を通過できるため,以下のような特定の状況ではCBEを起こしうる:

  • 血清ビリルビン濃度が著しく上昇している場合

  • 血清アルブミン濃度が著しく低い場合(例,早産児)

  • ビリルビンが競合結合する物質によってアルブミンから遊離した場合

競合結合する物質として,特定の薬剤(例,スルフイソキサゾールセフトリアキソンアスピリン),遊離脂肪酸,および水素イオン(例,敗血症またはアシドーシスの新生児)が挙げられる。

総論の参考文献

  1. 1.Kemper AR, Newman TB, Slaughter JL, et al.Clinical Practice Guideline Revision: Management of Hyperbilirubinemia in the Newborn Infant 35 or More Weeks of Gestation. Pediatrics.2022;150(3):e2022058859.doi:10.1542/peds.2022-058859

新生児高ビリルビン血症の病態生理

ビリルビンの大半は,ヘモグロビンが非抱合型ビリルビン(および他の物質)へ分解されることから生じる。非抱合型ビリルビンは血中でアルブミンと結合し肝臓へ運ばれ,そこで肝細胞に取り込まれ,UDPグルクロン酸転移酵素(UGT)によってグルクロン酸と抱合され水溶性となる。抱合型ビリルビンは胆汁中に排泄され十二指腸へ送られる。成人では,抱合型ビリルビンは腸内細菌によってウロビリンに還元され排泄される。しかしながら,新生児では消化管内の細菌が少ないため,ウロビリンに還元され排泄されるビリルビンも少ない。新生児は,β-グルクロニダーゼという,ビリルビンを脱抱合する酵素も有する。非抱合型となったビリルビンは,血流中に再吸収されて,再利用される。このプロセスは,ビリルビンの腸肝循環と呼ばれている(新生児のビリルビン代謝も参照)。

高ビリルビン血症の機序

高ビリルビン血症は,以下のうち1つ以上のプロセスにより生じる:

  • 産生の増加

  • 肝臓への取込みの減少

  • 抱合の減少

  • 排泄障害

  • 胆汁流出障害(胆汁うっ滞

  • 腸肝循環の亢進

新生児高ビリルビン血症の病因

分類

高ビリルビン血症の原因を分類し考察する方法はいくつかある。一過性黄疸は健康な新生児で一般的であるため(黄疸が常に疾患を意味する成人とは異なる),高ビリルビン血症は生理的なものと病的なものに分類できる。また,高ビリルビン血症が非抱合型,抱合型,またはその両方かによっても分類できる。機序によっても分類可能である(新生児高ビリルビン血症の原因の表を参照)。

原因

ほとんどの場合は非抱合型高ビリルビン血症である。新生児黄疸の最も一般的な原因としては以下のものがある:

  • 生理的な高ビリルビン血症

  • 生理的黄疸

  • 母乳性黄疸

  • 溶血性疾患による病的な高ビリルビン血症

肝機能障害(例,胆汁うっ滞を起こす静脈栄養によるもの,新生児敗血症,または新生児肝炎)は,抱合型高ビリルビン血症または混合型の高ビリルビン血症を引き起こす可能性がある。

生理的な高ビリルビン血症は,ほぼ全ての新生児に起こる。新生児の赤血球は寿命が比較的短いためにビリルビンの産生が増加すること,ウリジン二リン酸グルクロン酸転移酵素(UGT)の欠乏に起因する抱合不全によりクリアランスが低下すること,および腸内の細菌レベルが低いことと抱合型ビリルビンの加水分解の増加とが組み合わさって,腸肝循環を亢進させる。ビリルビン値は典型的には生後3~4日で上昇し(東アジアの乳児では7日であり,出生時のビリルビン値は東アジアの乳児の方が高い),その後は低下する(1)。

生理的黄疸(breastfeeding[chestfeeding]jaundice)は生後1週以内の母乳栄養児の6分の1に発生する。母乳栄養では,母乳摂取量が低下している新生児や脱水またはカロリー摂取不足に陥っている新生児の一部において,ビリルビンの腸肝循環が亢進する。また,腸肝循環の増加は,ビリルビンを再度吸収されない代謝物に変換する腸内細菌の減少からも生じる。

母乳性黄疸(human milk jaundice)は,生理的黄疸とは異なるものである。生後5~7日に発生し生後約2週にピークがみられる。母乳中のβ-グルクロニダーゼ濃度の上昇によって起こると考えられ,これによりビリルビン脱抱合および再吸収の増加が起こる。

正期産児の病的な高ビリルビン血症は以下の場合に診断される:

  • 黄疸が生後24時間以内に発生する場合,生後1週以降に発生する場合,または2週間以上持続する場合

  • 血清総ビリルビンが1日5mg/dL(86μmol/L)以上上昇する場合

  • 重篤な疾患の症状または徴候を示す場合

最も一般的な病因は以下の通りである:

表&コラム
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病因論に関する参考文献

  1. 1.Bentz MG, Carmona N, Bhagwat MM, et al.Beyond "Asian": Specific East and Southeast Asian Races or Ethnicities Associated With Jaundice Readmission. Hosp Pediatr.2018;8(5):269-273.doi:10.1542/hpeds.2017-0234

新生児高ビリルビン血症の評価

病歴

現病歴の聴取では,発症年齢(生後時間数)および黄疸の持続期間に注意すべきである。重要な関連症状として,嗜眠および哺乳不良(CBEの可能性を示唆)などがあり,昏迷,筋緊張低下,または痙攣へと進行し,最終的には筋緊張亢進に至る場合がある。哺乳パターンから,生理的黄疸や授乳不足の可能性が示唆されることがある。したがって,病歴聴取には,何をどのくらいの量,どのくらいの回数哺乳しているか,尿量および排便量(生理的黄疸または授乳不足の可能性),どのくらい上手に乳房または哺乳瓶の乳首をくわえているか,母親が母乳による乳房の充満を感じているか,授乳中に児が嚥下しているか,授乳後満足そうに見えるかなどを含めるべきである。

システムレビュー(review of systems)では,呼吸窮迫,発熱,および易刺激性または嗜眠(敗血症);筋緊張低下および哺乳不良(甲状腺機能低下症,代謝性疾患);嘔吐の反復エピソード(腸閉塞)など,原因を示唆する症状がないか検討すべきである。

既往歴の聴取では,母体感染症(トキソプラズマ症,他の病原体,風疹,サイトメガロウイルス,および単純ヘルペス[TORCH]感染症),早期高ビリルビン血症を起こしうる疾患(母体糖尿病),母体Rh因子および血液型(母児間血液型不適合),遷延分娩または難産の既往(血腫または鉗子による外傷)に焦点を置くべきである。

家族歴の聴取では,グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠乏症またはその他の赤血球酵素の欠損症,サラセミア,および球状赤血球症などの黄疸を起こしうる既知の遺伝性疾患,黄疸がみられた同胞の有無に注意すべきである。

薬歴の聴取では,黄疸を強める可能性がある薬剤(例,セフトリアキソン,抗マラリア薬,スルホンアミド系[スルホンアミド系薬剤は黄疸を強めるわけでないが,アルブミンからビリルビンを遊離させ,遊離ビリルビンの割合を増やすため,ビリルビン値が比較的低くても害をもたらす恐れがある])に注意すべきである。

身体診察

全体的臨床所見およびバイタルサインを評価する。

皮膚を視診して黄疸の程度を確認する。皮膚を愛護的に圧迫すると黄疸の存在を明らかにするのに役立つ。

身体診察では,原因疾患の徴候に焦点を置くべきである。

全体的な外見を視診して,多血(胎児母体間輸血による),巨大児(母体糖尿病による),および嗜眠または極度の易刺激性(敗血症または感染症による)がないか,さらに巨舌症(甲状腺機能低下症に伴う)や平坦な鼻梁または両側内眼角贅皮(ダウン症候群における)などの形態異常の特徴がないか確認する。

頭頸部診察では,頭血腫に一致する頭皮の皮下出血および腫脹に注意する。

肺を診察して,断続性ラ音(ラ音),類鼾音,および呼吸音減弱(肺炎)がないか確認する。

腹部を診察して,膨隆,腫瘤(肝脾腫),または感知される痛み(腸閉塞)がないか確認する。

神経学的診察では,筋緊張低下または筋力低下の徴候に焦点を置くべきである(代謝性疾患,甲状腺機能低下症敗血症)。

警戒すべき事項(Red Flag)

以下の所見には特に注意が必要である:

  • 生後24時間以内の黄疸

  • 交換輸血の生後時間数別適応基準に近似する血清総ビリルビン値

  • 血清総ビリルビン値の0.2mg/dL/時(3.4μmol/L/時)以上または5mg/dL/日(86μmol/L/日)以上の上昇

  • 血清総ビリルビン値が5mg/dL(86 μmol/L)以下で抱合型ビリルビン濃度が1mg/dL(17μmol/L)以上,または抱合型ビリルビンが血清総ビリルビン値の20%以上(新生児胆汁うっ滞を示唆)

  • 生後2週以降の黄疸

  • 嗜眠,易刺激性,呼吸窮迫

所見の解釈

評価は生理的黄疸と病的黄疸との鑑別に焦点を置くべきである。病歴,身体所見,および発生時期(新生児黄疸の身体所見の表を参照)が診断の参考になる可能性があるが,通常は血清総ビリルビン値と血清抱合型ビリルビン値を測定する。

発生時期

生後24~48時間以内に発生する,または2週間以上持続する黄疸は,病的である可能性が最も高い。生後2~3日以降まで顕性とならない黄疸は,生理的黄疸または母乳性黄疸により一致する。例外は,代謝因子(例,クリグラー-ナジャー症候群,甲状腺機能低下症,および薬剤)によるビリルビンの分泌不足であり,顕性となるのに2~3日かかる場合がある。そのような場合,ビリルビン値は典型例では生後1週間以内にピークとなり,5mg/dL/日(86μmol/L/日)未満の速度で蓄積し,長期間顕性となる。現在では大半の新生児が48時間以内に退院するか新生児室を出るため,高ビリルビン血症の症例の多くが新生児室の外で発見されている。

表&コラム
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検査

高ビリルビン血症の診断は,新生児の皮膚色により疑い,血清ビリルビンの測定により確定する。経皮的およびデジタル写真撮影ベースの技術など,乳児のビリルビンを測定する非侵襲的な技術の利用が増えてきており,この測定値は血清ビリルビン測定値と良好な相関を示す。高ビリルビン血症のリスクは,生後時間数に応じた総血清ビリルビン値に基づいて評価される。

早期産児で10mg/dL(171μmol/L)以上,または正期産児で18mg/dL(308μmol/L)以上のビリルビン濃度で,ヘマトクリット,血液塗抹標本,網状赤血球数,直接クームス試験,血清総ビリルビンおよび直接血清ビリルビン濃度,児と母親の血液型およびRh型の検査を含む追加的な診断検査が必要となる。

このほかにも,敗血症やその他の重篤な感染症の検出を目的とする血液,尿,髄液の培養検査や,溶血のまれな原因を検出するための赤血球酵素活性の測定などの検査が,病歴と身体所見に応じて適応となる場合がある。また,初回のビリルビン値が25mg/dL(428μmol/L)を超える新生児も同様の検査の適応となる。

新生児高ビリルビン血症の治療

高ビリルビン血症の治療は基礎疾患に対して行う。さらに,高ビリルビン血症自体の治療も必要な場合がある。

生理的黄疸は通常臨床的には問題にならず,1週間以内に消失する。人工乳または母乳の頻回授乳は,消化管運動と排便頻度を増やし,そのためビリルビンの腸肝循環が最小限になることで,高ビリルビン血症の発生率および重症度を低減できる。人工乳の種類はビリルビン排泄を増やすことに関しては重要ではないと思われる。

授乳頻度を増やすことによって,生理的黄疸を防ぐまたは減らすことが可能な場合がある。早期の生理的黄疸がみられる正期産児で,ビリルビン値が上昇し続け18mg/dL(308μmol/L)以上となった場合は,母乳から人工乳への一時的変更が適切と考えられ,さらに高値になると光線療法の適応となる場合もある。母乳栄養の中止は1~2日でよいことが多く,母親には患児のビリルビン値が低下し始めたらすぐに授乳を再開できるよう,母乳を定期的に搾乳し続けるよう奨励する。また,乳房からの母乳栄養を安全に再開できるようになることを伝えて,母親を安心させるべきである。水分またはブドウ糖の補充は,母親の乳汁産生を妨げる恐れがあることから勧められない。

高ビリルビン血症の根治療法では以下の処置を行う:

  • 光線療法

  • 交換輸血

光線療法

光線療法は,光を使用して非抱合型ビリルビンを光異性化し水への溶解度を高め,グルクロン酸抱合なしでも迅速に肝臓および腎臓から排泄できるようにするものである。これは,新生児高ビリルビン血症の根治的な治療およびCBEの予防となる(1)。光線療法は依然として標準治療であり,蛍光白色光を用いることが最も多い。(集中的な光線療法には青色光,すなわち波長425~475 nmの光が最も効果的である。)

在胎35週以上で出生した新生児には,在胎期間に応じた光線療法のガイドラインがある。(高ビリルビン血症において神経毒性の危険因子がない乳児に対する光線療法の閾値の図も参照のこと。)神経毒性の追加の危険因子を有する場合はガイドラインが異なる。高ビリルビン血症の神経毒性の危険因子としては,在胎期間38週未満;アルブミン3.0g/dL未満;同種免疫性溶血性疾患,G6PD欠乏症,もしくはその他の溶血性疾患;敗血症;または過去24時間の有意な臨床的不安定性などがある。光線療法は抱合型高ビリルビン血症には適応とならない。

高ビリルビン血症において神経毒性の危険因子がない乳児に対する光線療法の閾値

Data from Kemper AR, Newman TB, Slaughter JL, et al.Clinical Practice Guideline Revision: Management of Hyperbilirubinemia in the Newborn Infant 35 or More Weeks of Gestation.Pediatrics.2022;150(3):e2022058859.doi:10.1542/peds.2022-058859.(詳細については参考文献を参照のこと。)

早産児は神経毒性のリスクがより高いため,在胎35週未満で生まれた新生児では,治療域値が低くなる。早産であればあるほど,閾値は低くなる(在胎35週未満の新生児に対して提案されている光線療法または交換輸血開始の閾値の表を参照)。

表&コラム

光線療法実施中は,たとえ血清ビリルビン値は高値のままであっても外見上は黄疸が消失したように見える場合があるため,皮膚によって黄疸の重症度評価をすることはできない。採取用試験管内のビリルビンは急速に光酸化されるため,ビリルビン測定に使用する血液は強い光が当たらないよう遮光する。

交換輸血

交換輸血は循環からビリルビンを速やかに除去でき,免疫介在性の溶血により最も多く発生する重度の高ビリルビン血症に適応となる。部分的に溶血し抗体で覆われた赤血球および循環中免疫グロブリンを除去するため,臍静脈カテーテル(または利用できるその他の経路)を介して少量の血液の採血および補充を行う。患児の血液は,循環血中の抗体に結合する赤血球膜抗原をもたないドナーの赤血球(抗体で覆われていない赤血球)と交換する。つまり,新生児がAB抗原に感作されていればO型血液を使用し,新生児がRh抗原に感作されていればRh陰性の血液を使用するということである。成人ドナーの赤血球は,胎児の細胞に比べて多くのABO抗原部位をもつため,同じ型同士の輸血は溶血を助長する。CBEの原因となるのは非抱合型高ビリルビン血症のみであり,抱合型ビリルビンが上昇したとしても,交換輸血が必要かどうかの決定には総ビリルビン値ではなく非抱合型ビリルビン値を使用する。

在胎35週以上の乳児については,神経毒性の危険因子の有無にかかわらず,週数に応じた生後1時間毎の値を記載したガイドラインが利用可能である(2)。最初の検査時から血清ビリルビン値が25mg/dL(428μmol/L)を超えている新生児には,高強度の光線療法によりビリルビン値が減少しなかった場合に備え,交換輸血の準備を整えておく必要がある。

在胎35週未満の新生児での閾値が提唱されている(在胎35週未満の新生児に対して提案されている光線療法または交換輸血開始の閾値の表を参照)。以前は,患者の体重だけに基づいた基準が使われていたこともあったが,現在は上に記載した具体的なガイドラインが使用されている。

正期産児では濃厚赤血球160mL/kg(児の全血量の2倍)を2~4時間かけて交換することが最も多いが,80mL/kgを1~2時間かけて連続2回交換する方法もある(3)。交換輸血では,一定量の血液を採取後直ちに輸血する。一回の交換量は乳児の大きさによって異なるが,平均的な正期産の乳児では典型的には20mL付近である。予定総量が交換できるまでこの処置を繰り返す。重篤例または早産児の場合,血液量の大幅な変動を避けるため,1回量として5~10mLを用いる。高ビリルビン血症では1~2時間以内に輸血前の約60%のレベルまでビリルビン値がリバウンドしうることが知られているため,ビリルビンを50%近く減少させることを目標とする。またCBEのリスクが増大するような状態(例,敗血症,アシドーシス)にある乳児では,その目標レベルをさらに1~2mg/dL(17~34μmol/L)下げるのも通例となっている。ビリルビンの高値が続く場合は,交換輸血を繰り返す必要が生じることもある。

交換輸血には種々のリスクと合併症を伴うため,光線療法の成功を受けて,交換輸血の施行頻度は以前より減少している。

治療に関する参考文献

  1. 1.Bhutani VK; Committee on Fetus and Newborn; American Academy of Pediatrics.Phototherapy to prevent severe neonatal hyperbilirubinemia in the newborn infant 35 or more weeks of gestation. Pediatrics.2011;128(4):e1046-e1052.doi:10.1542/peds.2011-1494

  2. 2.Kemper AR, Newman TB, Slaughter JL, et al.Clinical Practice Guideline Revision: Management of Hyperbilirubinemia in the Newborn Infant 35 or More Weeks of Gestation. Pediatrics.2022;150(3):e2022058859.doi:10.1542/peds.2022-058859

  3. 3.Falciglia HS, Greenwood C.Double Volume Exchange Transfusion: A Review of the “Ins and Outs”. Neoreviews 2013; 14 (10): e513–e520. https://doi.org/10.1542/neo.14-10-e513

要点

  • 新生児黄疸は,ビリルビン産生の増大,ビリルビンクリアランスの減少,または腸肝循環の亢進によって生じる。

  • 黄疸の中には,新生児では正常なものもある。

  • リスクは,生後日齢(出生後の時間数),血清総ビリルビン値,未熟性の程度,神経毒性の他の危険因子の有無(例,G6PD欠乏症),および新生児の健康状態により異なる。

  • 治療の必要性は,ビリルビン高値の原因および程度によって変わる;早産であればあるほど,閾値は低くなる。

  • 根治的治療法には光線療法および交換輸血などがある。

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