正常な新生児の初期評価

執筆者:Deborah M. Consolini, MD, Thomas Jefferson University Hospital
レビュー/改訂 2021年 9月
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    感染予防のため,全ての職員は手洗いが不可欠である。

    母親とパートナーの両者が出産に向けて積極的に関わることが育児への順応に有用である。

    分娩後直ちに新生児の呼吸状態,心拍数,皮膚の色,筋緊張,刺激反射を評価すべきである;これらは全て生後1分および5分時に取られるアプガースコアの重要な要素である( see table アプガースコア)。アプガースコア8~10点は,新生児が子宮外の生活に円滑に移行しつつあることを示唆し,5分時のスコアが7点以下の場合(特に10分以上その状態が継続する場合)には,新生児の障害発生率および死亡率が上昇する。正常新生児の多くは,生後1分にチアノーゼを示すが5分までに消える。チアノーゼが消えない場合,先天性の心肺異常または中枢神経系の抑制が示唆される。

    新生児ではアプガースコアによる評価に加えて,肉眼的な形態異常(例,内反足多指症)や,その他の重大な異常(例,心雑音)がないかを評価すべきである。評価はラジアントウォーマーの下,家族立ち会いの中で行われるのが望ましい。(新生児の身体診察も参照のこと。)

    表&コラム

    予防的介入には,淋菌およびクラミジア眼炎の予防として両眼に抗菌薬の投与(例,0.5%エリスロマイシン軟膏を1cm,1%テトラサイクリン軟膏を1cm,1%硝酸銀溶液を2滴,一部の国では2.5%ポビドンヨード点眼液),出血性疾患の予防としてビタミンK 1mg筋注などがある(ビタミンK欠乏症を参照)。

    その後,新生児を沐浴させ,布でくるみ,家族のもとへ連れて行く。熱放散を防ぐために頭部はキャップで覆うべきである。家族が児についてよく知るようになり,入院中に病院のスタッフから指導を受けることができるように,母児同室と早期の母乳哺育が奨励される。家族が頻繁かつ十分な支援を受けた場合,母乳哺育が成功する可能性がより高くなる。(正常な新生児のケアも参照のこと。)

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