皮膚以外の疾患の皮膚症状

執筆者:Julia Benedetti, MD, Harvard Medical School
レビュー/改訂 2021年 12月
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    皮膚はしばしば,背景にある内科疾患の徴候として機能する。典型的には,皮膚病変の種類は特異的な疾患や疾患の病型と関連する。

    皮膚科患者の評価も参照のこと。)

    内臓の悪性腫瘍

    40歳以上の皮膚筋炎患者は,乳癌,肺癌,卵巣がん,および消化器癌のリスクが高い。

    皮膚筋炎(大腸癌によるもの)
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    この画像には,大腸癌に関連した皮膚の症状が写っている。
    Image courtesy of Karen McKoy, MD.

    多発性の脂漏性角化症の急性発症(Leser-Trélat徴候)は,背景にある内臓の悪性腫瘍(特に腺癌)の存在を示唆している場合がある。ただし,脂漏性角化症は健康成人における有病率が高いため,この徴候は過剰診断につながることがある。

    Leser-Trélat徴候
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    Leser-Trélat徴候は,脂漏性角化症の多数の病変(しばしば色素沈着を伴う「皮膚面に張り付いた」ような外観を呈する良性の皮膚病変)が急速に発症したものである。
    © Springer Science+Business Media

    急性熱性好中球性皮膚症(スウィート症候群)は,ときに造血器腫瘍を合併する。

    黒色表皮腫はがんと関連し,発症が急激で,とりわけ広範に拡大することがある。後天性魚鱗癬や明らかな皮膚炎を欠いたそう痒は,潜在がん(多くはリンパ腫)を示唆している場合がある。

    腫瘍随伴性天疱瘡は,比較的まれな自己免疫性水疱症であり,白血病など様々な腫瘍との関連が報告されている。

    カルチノイド症候群(頸部の紅潮および紅斑)は,カルチノイド腫瘍と関連する。

    匍行性迂回状紅斑はまれな発疹で,木目に似た同心円状に分布する紅斑性病変で構成され,様々な悪性腫瘍との関連が報告されている。

    匍行性迂回状紅斑
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    匍行性迂回状紅斑では,背部に同心円状に紅斑性病変が出現する。皮膚に木目様の紅斑が認められる。
    © Springer Science+Business Media

    内分泌障害

    多くの皮膚所見に内分泌障害との関連がみられるが,いずれも特異的ではない。

    糖尿病患者は黒色表皮腫,リポイド類壊死症,穿孔性皮膚症,浮腫性硬化症(皮膚が硬化・肥厚するもので,典型的には上背部,頸部,肩に生じる)を合併していることがある。

    リポイド類壊死症
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    リポイド類壊死症は,糖尿病に特徴的であるが,その診断にはつながらない。病変は下肢に生じることが最も多く,紅色丘疹として始まり,蝋様で黄色または褐色の萎縮性病変へと発展する。
    Image provided by Thomas Habif, MD.

    甲状腺機能低下症であれ,甲状腺機能亢進症であれ,甲状腺疾患では毛髪,爪,皮膚に影響が出ることがある。

    クッシング症候群は,皮膚伸展線条,満月様顔貌,および皮膚の脆弱化を引き起こす。

    アジソン病は,皮膚溝および外傷部位で色素沈着が目立つことを特徴とする。

    消化器疾患

    消化器疾患の合併頻度が高い皮膚疾患としては以下のものがある:

    発疹性黄色腫(皮膚)
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    発疹性黄色腫は,トリグリセリド濃度の上昇による影響が皮膚に現れたものである。
    Image provided by Thomas Habif, MD.
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