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ヘモグロビンSC症は,異常ヘモグロビン症の一種で,鎌状赤血球症と類似した症状を引き起こすが,通常はより軽度である。
(溶血性貧血の概要も参照のこと。)
ヘテロ接合体のS-Cの組合せの方がホモ接合体のヘモグロビンC症よりも頻度が高い。これは,ヘモグロビンS形質(鎌状赤血球症の原因である)の保有率が高いためであり,特にアフリカ系の人々でその傾向が強い。ヘモグロビンSC症における貧血は,鎌状赤血球症の貧血よりも軽度で,一部の患者ではヘモグロビン値が正常な場合さえある。
症状は鎌状赤血球症の症状と類似しているが,通常は発現頻度および重症度がより低い。ただし,肉眼的血尿,網膜出血,大腿骨頭の無菌性壊死がよくみられる。脾腫がみられることがある。
ヘモグロビンSC症は,臨床的特徴から鎌状赤血球症が示唆される患者または赤血球が鎌状化を示す患者で疑われる。染色後の血液塗抹標本では,標的赤血球および球状赤血球に加え,まれに鎌状赤血球または燕麦形の赤血球がみられる。鎌状化は鎌状化試験で同定され,ヘモグロビン電気泳動により診断が確定する。
治療は鎌状赤血球症の治療と同様であるが,症状の重症度に応じて決定する。
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