細菌とは何ですか?
細菌感染症とはどのような病気ですか?
すべての細菌が病気を引き起こすのですか?
いいえ、細菌の多くは感染症を引き起こしません。細菌の中には役に立つものもあります。人の皮膚の表面や体の中に住みついている細菌の多くは、害はありません。このようなものを常在菌といいます。しかし、皮膚の上や体の中に侵入したほかの細菌がこのような細菌を攻撃する可能性があります。
どのようにして細菌感染症にかかりますか。
有害な細菌はいろいろな方法で体の中に侵入します。たとえば:
細菌が入っているものを食べたり飲んだりする
細菌がただよっている空気を吸い込む
細菌がついているものにさわってから、口や鼻、目をさわる
切り傷やすり傷、やけどをおう(細菌が皮膚のなかに入りこみます)
破傷風を引き起こす細菌など、一部の有害な細菌は身の回りに存在します。しかし、ほとんどの有害な細菌は、その細菌に感染した人や動物からやってきます。
ときに、体の中の害のない細菌がいつもとはちがう場所に入りこむことがあります。たとえば、腸の中では害のない細菌が膀胱や血液の流れの中に入ると、感染症を引き起こすことがあります。
体はどのようにして細菌から身を守っていますか?
医師はどのようにして、私が細菌感染症かどうかを判断しますか?
医師は、あなたの症状から細菌感染症を疑います。ふつうは、サンプルを検査室に送って、細菌がいるかどうかを調べます。感染があると考えられる体の場所に応じて、次のようなサンプルが送られます:
血液
尿
たん(せきといっしょに吐き出される粘液)
のど、陰茎、または腟の内側をこすった綿棒
検査室は、細菌がいるかどうか、どんな種類の細菌か、その細菌を殺すことができる抗菌薬の種類を何かを医師に伝えます。
医師は細菌感染症をどのように治療しますか?
細菌感染症によっては、体が自然に撃退することがあります。しかし、多くの細菌感染症では、医師はあなたに次のものを処方します:
ペニシリンなどの抗菌薬は、細菌を殺すための薬です。抗菌薬にはいろいろな種類があります。抗菌薬はそれぞれ、特定の細菌にしか効き目がありません。
深刻な細菌感染症の場合は、入院して抗菌薬を直接静脈から投与してもらう必要があります。
抗菌薬に対する耐性とは何ですか?
特定の抗菌薬によって細菌を殺すことができない場合、それを抗菌薬に対する耐性といいます。
細菌は、ある種の抗菌薬に対してはもともと耐性があります。しかし、以前は効き目があった抗菌薬に対して細菌がしばしば耐性をもつようになります。耐性をもつようになるのは、細菌の遺伝子が変異するからです。細菌は耐性をもった遺伝子を子孫に伝えます。
抗菌薬に対する耐性は大きな問題です。耐性のある感染症には、より強力な抗菌薬が必要で、しばしば深刻な副作用が生じます。強力な抗菌薬をもってしても、毎年数千人が抗菌薬に耐性のある感染症で死亡しています。
抗菌薬を使う頻度が多ければ多いほど、耐性菌ができる可能性が高くなります。つまり、病院や、動物に定期的に抗菌薬を使っている農場などで、細菌が抗菌薬に対して耐性をもつことが多くなります。耐性菌は人から人に広がる可能性があります。このようなことが病院で起こると特に危険です。病院には免疫のはたらきが弱い人や、すでに重い病気にかかっている人がたくさんいるからです。
細菌感染症はどうすれば予防できますか?
細菌感染症を予防するためには次のことを行ってください:
ひんぱんに手を洗いましょう。食べものをあつかうときや、たくさんの人とふれあうときには特に気をつけましょう。
食べものの下ごしらえや調理をきちんとしましょう。
性交をするときは感染対策をしましょう。
医師から必要だと言われた予防接種を受けましょう。