血友病とはどのような病気ですか?
血友病は遺伝する病気で、血液が正常に固まりません。
血友病があると、小さなけがをしたときや、けがをしていないときでさえも、大量に出血します。
血友病にかかるのはほとんどすべて男性です。
男の子が母親から血友病を受けつぎます。
血友病の人では、凝固因子(血液が固まるのを助けるタンパク質)を十分につくることができません。
医師は血液検査で血友病を診断します。
静脈から凝固因子を注射しなければならないことがあります。
血友病の原因は何ですか?
凝固因子は、血液の中に含まれるタンパク質で、血液が固まるのを助けます。血液のかたまりは、出血している血管をふさぎます。凝固因子は10種類以上あります。
血友病では、異常な遺伝子を受けついでいるために、どれか1種類の凝固因子を十分につくることができません。
血友病には、どの凝固因子が少ないのかによって、血友病Aと血友病Bの2種類があります。
血友病を引き起こす異常な遺伝子は母親から受けつがれます(伴性遺伝)。
血友病のすべての人で、病気の度合いが同じように重いわけではありません。影響を受けている凝固因子がほとんどできなくなってしまう人もいます。また、十分ではないもののその凝固因子をある程度つくれる人もいます。その凝固因子が少ないほど、出血しやすくなります。
血友病にはどのような症状がありますか?
血友病のおもな症状は次のものです:
出血は、切り傷や鼻からの出血など、体の外で起こることもあります。体の中で出血することもあります。たとえば、膝をひねったり脚をぶつけたりしたときに、その部分が血で腫れることがあります。
血友病は生まれつきの病気であるため、血液凝固の異常は、それがとても軽くない限り、ふつうは小さな子どもに現れます。
出血の度合は、血友病がどれくらい重いかによってちがいます。
軽い血友病であれば、次のことが起こる可能性があります:
ふつうよりも出血が多いものの、手術や歯の処置、けがの後だけである
血友病と診断されることがない
中程度の血友病であれば、次のことが起こる可能性があります:
けがをしたように見えないのに出血することがある
手術中やけがの後に、大量に出血し、抑えるのが難しく、死んでしまうことがある
重い血友病の場合、次のことが起こる可能性があります:
深刻な出血が、小さなけがの後に起きたり、はっきりした理由もなく起きることがよくある
舌の筋肉の中が出血することで、舌が腫れて、呼吸ができなくなることがある
頭を少しぶつけただけで脳の中で大量の出血が起こり、脳が損傷を受けたり命を失ったりする
同じ関節の中での出血は、関節が傷ついて体が不自由になることもあります。
医師はどのようにして、私が血友病かどうかを判断しますか?
子ども(特に男の子)がたくさん出血をしたりすぐあざができてしまう場合、その子に血友病の家族がいれば、医師は血友病ではないかと疑います。
血友病を診断するために、医師は血液検査をして、血液が正常な速さで固まるかどうかと、血液に凝固因子が十分あるかどうかを調べます。
女の人は、遺伝子検査で血友病を引き起こす異常な遺伝子をもっているかどうかを明らかにすることができます。そのような遺伝子がある妊娠中の女の人は、妊娠しているときに赤ちゃんを調べてもらうことができます。
医師は血友病をどのように治療しますか?
血友病の場合、医師は次のことをする場合があります:
血液が固まるのを助ける凝固因子を輸血する
場合によっては、出血を減らす薬を飲ませる
医師はまた、次のように指示します:
けがをしたり出血したりするかもしれない状況を避ける
出血をひどくすることがある薬(アスピリンなど)を使わないようにする
歯を抜く必要がないように、歯と口のケアをしっかりする
血友病についてのくわしい情報は、どこで教えてもらえますか?
アメリカ血友病財団(National Hemophilia Foundation)