うつ病とはどのような病気ですか?
うつ病とは、とても悲しい気分になったり、ふだんの活動や以前は楽しんでいた活動に対してやる気を失ったりする病気です。
身近な人が亡くなったり、大事なものを失ったりするなど、悲しい出来事が起こった後に悲しく感じるのは、正常なことです。うつ病とは、悲しみが一時的なもので終わらずに、異常に長く続いている状態です。
治療をしていないうつ病は、ふつうは6カ月くらいで治まりますが、2年以上続くこともあります。
うつ病は、不安に次いで、2番目に多い心の健康上の問題です。
女性は男性よりも、うつ病になる可能性が高いです。
高齢の人では、うつ病のために認知症に似た症状が起きることもあります。
うつ病は、子どものころも含めて、あらゆる年齢で始まる可能性がありますが、10代、20代、または30代のころに始まるのがふつうです。
医師はふつう、抗うつ薬(うつ病の治療薬)とカウンセリング(精神療法)でうつ病を治療します。
もしあなたやあなたの知っている人が自殺を考えている場合は、すぐに病院に行くか、緊急の医療の助けを呼んでください(日本では119番、アメリカでは911に電話してください)。
うつ病の原因は何ですか?
うつ病の正確な原因は、医師たちにも分かっていません。次のことがらに当てはまる場合は、あなたはうつ病になる可能性がほかの人より高いです:
家族の中に、うつ病の人や、うつ病になったことがある人がいる
女性である:ホルモンの量によって気分が変化することがあるため(特に生理の前や赤ちゃんを産んだ後)
自然災害(台風など)や深刻な病気、家族の死など、感情をゆさぶられる出来事を経験した
がんなど、深刻な健康上の問題がある
副作用でうつ病になる可能性がある薬を飲んでいる
うつ病は、秋や冬など、日が出ている時間が短い時期に多くなります。
うつ病にはどのような症状がありますか?
症状は少しずつ現れ始めることがあります。
以前は楽しんでいた活動に対して興味がなくなる
自分に価値はない、自分は悪いことをしている、寂しい、などの気持ち
絶望を感じる
眠っている時間が長くなった、なかなか眠れない、朝早くに目覚めてしまうなど、睡眠習慣の変化
体重が減ったり、増えたりする
何かに集中したり、何かを決めたりするのが難しくなる
ふだんより、お酒を飲む量、タバコを吸う量、薬を使う量が増える
死や自殺について考える
医師はどのようにして、私がうつ病かどうかを判断しますか?
医師は、あなたの症状とうつ病の家族歴から、うつ病を疑います。また、うつ病の重さを確かめるための質問もするでしょう。健康上の問題がうつ病の原因になっていないか調べるために、医師が血液検査などの検査をすることがあります。
医師はうつ病をどのように治療しますか?
医師は次のことをする場合があります:
抗うつ薬を処方する
個人またはグループでのカウンセリング(精神療法)
散歩をしたり、友人や家族に会いに行ったりするように、あなたに助言する
自分の気持ちをほかの人たちと共有するためのサポートグループに、あなたを招待する
あなたが自殺を考えていたり、自殺をしようとしていたりする場合は、あなたを入院させる
重いうつ病がある場合は、医師が電気けいれん療法(以前はショック療法と呼ばれていました)をすることがあります。電気けいれん療法では、医師が薬を使ってあなたを眠らせ、それから、あなたの脳に電流を流します。その理由は医師たちもよく知らないのですが、電流を流すことが、うつ病の解消に役立つことがよくあります。
あなたのうつ病が秋と冬に起こることが多い場合は、日光に似せた明るい光をあなたに見てもらう治療(光療法)をすることがあります。