心臓は筋肉でできた臓器で、全身に血液を送り出す働きをしています。心拍数は、心臓が拍動する速さを表す数です。心臓はつねに、時計がカチカチと音を立てるように、一定のリズムで動いていなければいけません。
心臓には4つの部屋があります。心房は、上側にある2つの部屋です。心室は、下側にある2つの部屋です。心房は心室に血液を送りこみます。心室は肺や全身に血液を送り出します(心臓の生物学も読んでください)。
洞房結節という心房の一部分には特別なペースメーカー細胞があり、その細胞から心臓の筋肉を収縮させる規則的な電気信号が出ています。
心臓の刺激伝導系には、電気ケーブルのような組織の細い束が何本か通っています。刺激伝導系は、ペースメーカーの信号を心臓のほかの部分に伝えています。血液をしっかり送り出せるだけの力強い鼓動を起こすには、この信号が心臓のすべての筋肉細胞に正しいタイミングで届く必要があります。
発作性上室頻拍とはどのような病気ですか?
発作性上室頻拍は不整脈の一種です。発作性上室頻拍では、心拍数が急に高くなってから、正常にもどります。
上室頻拍では、規則的で速い心拍が突然始まって終わります。
心臓の拍動が速く感じたり、ドキドキしたり、息切れや胸の痛みを感じたりすることがあります。
上室頻拍は不快なものですが、ふつうは危険ではありません。
若い人や、激しい運動をしているときに、最もよくみられます。
医師は症状を止めるための薬をあなたに出すことがあります。
上室頻拍の原因は何ですか?
上室頻拍にはどのような症状がありますか?
ふつうは、心拍数の上昇が突然始まって終わります。数分から数時間続きます。次のように感じることがあります:
心臓の鼓動が速くなったり、強くなったりする
力が入らない
頭のふらつき
息切れ
胸の痛み
医師はどのようにして、私が上室頻拍かどうかを判断しますか?
医師は上室頻拍をどのように治療しますか?
心拍数を下げるために、医師は次のどれかを試すよう、あなたに指示することがあります:
便を出すときのように、いきむ
あごの先の下で首をさする
氷水を入れた洗面器に顔を入れる
次の場合は、病院に行ってください:
心拍数を下げることができない
重い症状がある
心拍数が速い状態が20分以上続いた
医師はふつう、薬を直接静脈に投与することで、心拍数をすぐに下げることができます。
アブレーションとはどのような処置ですか?
重い症状がたびたびみられる場合は、医師はあなたにアブレーション処置を受けるように提案することがあります。アブレーションは、異常な心臓組織をこわす治療法です。
最初に医師が電気生理学的検査をしますが、これは心臓カテーテル検査に似ています。医師が細くてやわらかい管(カテーテル)を太い血管(たとえば、脚の血管)に入れて、心臓まで通します。カテーテルの先には電極がついていて、心臓の電気的な活動を内側から記録します。このカテーテルでは、心臓を電気的に刺激して、心臓の反応を調べることもできます。
この検査によって、心臓の小さな部分が上室頻拍を引き起こしていることが分かった場合、その組織を取り除くことでリズムの異常を治せることがよくあります。医師は、高周波電流を流すカテーテルを使って、問題を引き起こしている組織を破壊します。
カテーテルアブレーションが選択肢にならなければ、医師は心拍数が上がった状態が再び起こらないように薬で治療することがあります。